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“個”を殺す戦争の罪を見つめた力作

2015年3月8日 相馬 学 パリよ、永遠に ★★★★★ ★★★★★

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パリよ、永遠に

 久しぶりの日本公開作『シャトーブリアンからの手紙』と同様に、フォルカー・シュレンドルフ監督はナチスという自国の歴史と向き合う。舞台劇の映画化らしく会話主体で転がる、肉体的な動きの少ない作品だが、心の動きはダイナミックで魅入った。

 最大の魅力は頑固者VSクセ者の駆け引き。どちらの側にも“事情”があり、その溝を埋めていく詰将棋のようなスリルが宿る。ベテラン俳優ふたりの、いぶし銀の味も光り、それぞれの妙演にも唸った。

 『シャトーブリアンからの手紙』もそうだったが、人間対人間なら話も通る。しかし国を背負うと。そう簡単に話は進まない。個を殺す、このやるせなさこそが戦争の罪なのかもしれない。

相馬 学

相馬 学

略歴:アクションとスリラーが大好物のフリーライター。『DVD&ブルーレイでーた』『SCREEN』『Audition』『SPA!』等の雑誌や、ネット媒体、劇場パンフレット等でお仕事中。

近況:『ゴーストバスターズ アフターライフ』『ロックフィールド 伝説の音楽スタジオ』『アイス・ロード』『マリグナント 狂暴な悪夢』他の劇場パンフレットに寄稿。布袋寅泰への取材をはじめ、最近は映画絡みで音楽アーティストに話を訊くことが多くなりました。

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