とてつもなく辛い状況の中で描かれる人間愛

2017年8月3日 猿渡 由紀 夜明けの祈り ★★★★★ ★★★★★

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夜明けの祈り

原題は、“純真な人たち”。一生を神に捧げるポーランドの修道女たちは、ソ連兵たちによって汚されてしまった。この秘密を知る唯一の部外者が、主人公のフランス人女医マチルド。昼間は赤十字で働きながら、夜にボランティアで妊娠した修道女たちの手助けをするマチルドが、宗教心の強さの違いという、思わぬ壁に悩まされる部分は、興味深い。とてつもなく辛い状況を描くのに、息苦しくならないのは、人間愛が語られるから。マチルドと同僚医師のカジュアルな恋も、温かいニュアンスを与えている。見終わってからも、しばらく余韻が残る名作だ。

猿渡 由紀

猿渡 由紀

略歴:東京の出版社にて、月刊女性誌の映画担当編集者を務めた後、渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスターのインタビュー、撮影現場レポート、ハリウッド業界コラムなどを、日本の雑誌、新聞、ウェブサイトに寄稿する映画ジャーナリスト。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。

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