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ブリムストーン (2016):映画短評

ブリムストーン (2016)

2018年1月6日公開 148分

ブリムストーン
(C) 2016 brimstone b.v. / n279 entertainment b.v. / x filme creative pool gmbh / prime time/ the jokers films / dragon films
なかざわひでゆき

レオーネ×ヴァ―ホーヴェン=西部女性残酷史

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 西部開拓時代のアメリカ。言葉を喋れぬ母親の前に1人の牧師が現われたことから、彼女の壮絶な過去が明かされていく。
 神と聖書と拳銃を振りかざして女性を服従させ、弄び、凌辱する男たち。地獄の苦しみを生き抜いたヒロインは、非業の死を遂げた女たちの声なき声を背負い、男社会の理不尽に銃口を向ける。大西部の雄大な自然を捉えた映像美、観客の神経をあえて逆撫でする暴力描写。さながらセルジョ・レオーネとポール・ヴァ―ホーヴェンの融合だ。
 幼児虐待にペドフェリア、レイプ、拷問。凄惨な物語の根底に流れるのは強固なフェミニズム。欧州では大絶賛の一方、米国では非難轟々らしいが、不愉快なのは痛いところを突かれた証か。

この短評にはネタバレを含んでいます
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