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終末後を生きる男女のドラマは、第三の人物の登場で通俗に堕す

2018年6月24日 清水 節 死の谷間 ★★★★★ ★★★★★

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死の谷間

 世界の終わりを生き延び、信仰をよすがに孤独をしのぐ美女マーゴット・ロビーが、もうひとりの生存者である科学者の黒人男性キウェテル・イジョフォーと出会う。価値観の異なる者同士が反発し間合いを取りながら、徐々に接近していくドラマはサスペンスフルだ。単なる世界再生劇のみならず、極限状況における人間の存在を形而上学的に問うミニマムな物語は、原作「死の影の谷間」になき第三の人物である肉体労働者の白人男性クリス・パインの登場によって、たちまち目指す着地点が通俗的なものに堕していく。第三の人物を子供や老人にすれば、まだ拡がりはあったかもしれない。男女間の関係性のバランスの心理劇へのシフトは、改悪である。

清水 節

清水 節

略歴:映画評論家/クリエイティブディレクター●ニッポン放送「八木亜希子LOVE&MELODY」出演●映画.com、シネマトゥデイ、FLIX●「PREMIERE」「STARLOG」等で執筆・執筆、「Dramatic!」編集長、海外TVシリーズ「GALACTICA/ギャラクティカ」DVD企画制作●著書: 「いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命」「新潮新書 スター・ウォーズ学」●映像制作: WOWOW「ノンフィクションW 撮影監督ハリー三村のヒロシマ」企画・構成・取材で国際エミー賞(芸術番組部門)、ギャラクシー賞(奨励賞)、民放連最優秀賞(テレビ教養番組部門)受賞

近況:●「シン・ウルトラマン」劇場パンフ執筆●ほぼ日の學校「ほぼ初めての人のためのウルトラマン学」講師●「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」劇場パンフ取材執筆●特別版プログラム「るろうに剣心 X EDITION」取材執筆●「ULTRAMAN ARCHIVES」クリエイティブディレクター●「TSUBURAYA IMAGINATION」編集執筆

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