やはり、情け容赦なし!

2020年9月14日 くれい響 ブリング・ミー・ホーム 尋ね人 ★★★★★ ★★★★★

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ブリング・ミー・ホーム 尋ね人

児童誘拐問題をテーマにしているだけに、“韓国版『最愛の子』”ともいえるヒューマン・ドラマとして幕を開ける本作。休業中、実生活でも2人の子の母親になったイ・ヨンエの鬼気迫る演技も、ヴィッキー・チャオに匹敵するといえるだろう。だが、ズッシリと胸に迫るサスペンスから、手掛かりとして、『魚と寝る女』を思い起こさせる不気味な釣り場にたどり着いた瞬間、いきなり田舎ホラーと化すあたり、さすが“情け容赦なし”の韓国映画。閉鎖された空間の下、主犯格や悪徳警官らを相手にしたヨンエ演じる母の戦いは、『ビー・デビル』の惨劇ふたたびといった趣。別の意味で、お涙頂戴な展開が見事に裏切ってくれる。

くれい響

くれい響

略歴:1971年、東京都出身。大学在学中、クイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作、「映画秘宝(洋泉社)」編集部員を経て、フリーとなる。現在は映画評論家として、映画誌・情報誌・ウェブ、劇場プログラムなどに寄稿。また、香港の地元紙「香港ポスト」では20年以上に渡り、カルチャー・コラムを連載するほか、ライターとしても多岐に渡って活動中。

近況:『イップ・マン 完結』『追龍』『WAR!!!』『眉村ちあきのすべて(仮)』『プロジェクトグーテンベルク 贋札王』などの劇場パンフにコラム・インタビューを寄稿。「究極決定版 映画秘宝オールタイム・ベスト10」のほか、「1980年代の映画には僕たちの青春がある(キネ旬ムック) 」「悲運の映画人列伝(映画秘宝COLLECTION)」「俺たちのジャッキー・チェン (HINODE MOOK)」に作品・解説などを寄稿。そのほか、「映画秘宝」にて岩井俊二監督×斎藤工さん、「シネマトゥデイ」にて菅井友香さん、「Movie Walker」にてポン・ジュノ監督×細田守監督、「TV LIFE」にて芋生悠さん、「CREA WEB」にて甲斐翔真さんなどのインタビュー記事が掲載中。

サイト: http://blog.goo.ne.jp/asiareview/

くれい響さんの最近の映画短評

もっと見る

[PR]