映像の豊潤さに魅了される珠玉の80分

2014年7月30日 相馬 学 イーダ ★★★★★ ★★★★★

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イーダ

 80分のモノクロ映画で小品と呼べるが、中身は驚くほど豊潤で味わい深い。とりわけ、スタンダード・サイズに収められた映像の端正な魅力に強く引き寄せられる。

 聖と俗が接近する引力を見据えたドラマはメリハリのある映像で語られ、雪や壁の白、土やドレスの黒が鮮烈な印象をあたえる。ヒロインの顔に光りを当て、叔母には影を作る、そんな陰影の対比にもこだわりが垣間見える。

 面白いのはヒロインの顔の位置。それは映像の下方に置かれることが多く、上部には天上の神が見守っているような余白がある。そして彼女の顔を中央に置いた象徴的なラストへ。何を見るかは人それぞれだが、歯応えのある秀作であることは間違いない。

相馬 学

相馬 学

略歴:アクションとスリラーが大好物のフリーライター。『DVD&ブルーレイでーた』『SCREEN』『Audition』『SPA!』等の雑誌や、ネット媒体、劇場パンフレット等でお仕事中。

近況:『ファナティック ハリウッドの狂愛者』他の劇場パンフレットでお仕事中。「映画の巨人たち リドリー・スコット」(辰巳出版刊)に寄稿。

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