長編監督デビュー作にして、ただならぬ大御所感

2021年6月22日 くれい響 海辺の金魚 ★★★★★ ★★★★★

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海辺の金魚

自主時代から、ただならぬ才能を発揮していた小川紗良監督が商業映画デビュー。長編デビューとなる本作だが、児童養護施設からの旅立ちという社会的なテーマや、素人の子供から生き生きとした表情を引き出す演出、そしてベテランカメラマン、山崎裕が捉えるリアリティ感と、どこか是枝裕和監督作にも似た安堵感に包まれる。特に舞台となる鹿児島・阿久根市の名物“そうめん流し”のシーンは印象的であり、ここまで肝が据わった大御所感に驚かされるはず。孤独や不安、苛立ちなど、ヒロイン・花を演じる小川未祐が魅せる繊細な芝居は、ブッ飛んでいた『脳天パラダイス』とは別人のようで、これはこれでインパクト大。

くれい響

くれい響

略歴:1971年、東京都出身。大学在学中、クイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作、「映画秘宝(洋泉社)」編集部員を経て、フリーとなる。現在は映画評論家として、映画誌・情報誌・ウェブ、劇場プログラムなどに寄稿。また、香港の地元紙「香港ポスト」では20年以上に渡り、カルチャー・コラムを連載するほか、ライターとしても多岐に渡って活動中。

近況:『少年の君』『唐人街探偵 東京MISSION』『星空のむこうの国』『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』『藍に響け』『裏アカ』『新感染半島 ファイナル・ステージ』『ハッピー・オールド・イヤー』『新解釈・三國志』などの劇場パンフにコラム・インタビューを寄稿。そのほか「シネマトゥデイ」にて山田孝之さん、菅田将暉さん&Fukaseさん、「TV LIFE」にて小川紗良監督、駒井漣さん、森田望智さん、恒松祐里さん、高杉真宙さん、池田エライザさん、水野勝さん、高岡早紀さん、「MOVIE WALKER」にて森川葵さん&秋田汐梨さん&萩原みのりさん、「EVIL A MAG」にてB.O.L.Tさん、「CREA WEB」にて和田琢磨さんなどのインタビュー記事も掲載中。

サイト: http://blog.goo.ne.jp/asiareview/

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