そして彼女はどこへ行くのか?

2014年7月31日 ミルクマン斉藤 イーダ ★★★★★ ★★★★★

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イーダ

モノクロ、スタンダード。人物がアップになるときは、画面の3/4~1/2を背景が占める。この比率は伝統的に、人物が社会的・歴史的なものを背負っていることを表すだろうし、事実、出自を初めて知る修道女イーダと、共産主義色が濃かった時代の検察官として“人民の敵”を処刑してきたおばは時代の落とし児なのだ。作中でこれが何年の出来事と示されることはないが、それを特定するにはポーランド史、と言わずともカヴァレロヴィチやワイダからポランスキに至るポーランド映画史の知識を作品自体が求めている気もする。バッハ(『惑星ソラリス』のテーマ!)からコルトレーン「ネイマ」や数々のポップスを縦断する音楽もいちいち意味深。

ミルクマン斉藤

ミルクマン斉藤

略歴:映画評論家。1963年京都生まれ。デザイン集団「groovisions」の、唯一デザインしないメンバー。現在、京都・東洞院蛸薬師下ルの「三三屋」でほぼ月イチ・トークライヴ「ミルクマン斉藤のすごい映画めんどくさい映画」を開催中。雑誌「テレビブロス」「ミーツ・リージョナル」「キネマ旬報」等で映画コラムを連載中。

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