シネマトゥデイ

4月の5つ星映画5作品はこれだ!【第83回:今月の5つ星】

 新しい生活のスタートを切る季節=4月が今年もやってきました! より現実に向き合いたい人や寓話の世界に癒やされたい人必見のアカデミー賞受賞作やディズニーアニメ史上最高の全米オープニング興行収入を記録した最新作『ズートピア』のほか、神木隆之介×門脇麦×入江悠による異色SFドラマも要チェック!

ルーム
(C) ElementPictures / RoomProductionsInc / ChannelFourTelevisionCorporation2015

痛みや悲しみを内包した愛に気付かされる

『ルーム』

 第88回アカデミー賞で初ノミネートにして主演女優賞に輝いたブリー・ラーソンの演技が光る本作。エマ・ドナヒューの小説「部屋」を、『FRANK -フランク-』などのレニー・アブラハムソン監督が映画化した。ブリーは7年間小さな部屋に監禁され、そこで子を産み母となったジョイを熱演。息子ジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)が5歳になり計画した脱出作戦は成功するも、閉ざされた世界がすべてだったジャックにとって実際の世界はあまりにも広く、過ぎ去った7年の月日がジョイに重くのしかかる。部屋からの脱出を遂げても簡単にハッピーエンドとはならない物語。互いだけを支えに生きてきた親子は、ジョイの母やそのパートナーと共に新しい家族のかたちを築いていくが、うまくいかない。そして、新たな世界に順応していくジャックと、うまく適応できないジョイの対照的な姿は子供と大人の現実的な違いがリアルに描かれている。鑑賞後にはその痛み、悲しみを包む温かくて大きな愛に気付かされる。(編集部・小山美咲)

映画『ルーム』は4月8日より公開

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スポットライト 世紀のスクープ
Photo by Kerry Hayes (C) 2015 SPOTLIGHT FILM, LLC

この映画を「面白い」の一言で片付けて良いのか?

『スポットライト 世紀のスクープ』

 多数の神父による児童性的虐待の真実を世に暴いた新聞記者たちの実話を基にしたアカデミー賞作品賞受賞作。信者にとって絶対的存在の神父が犯した罪をカトリック教会が組織ぐるみで隠し、たくさんの被害者を出した悲惨で哀しい実際の事件を扱ったこの映画を、単に「面白い」の一言で片付けて良いのか? マイケル・キートンマーク・ラファロら記者役の俳優たちによる誇張のない抑えた演技は、隠匿された大事件にメスを入れる過程や信じがたい罪の中身を描くストーリーにすんなりとフォーカスさせる。また、映画におけるエンタメ性うんぬんは一切気にならず、エンドロールが終了しても席を立ちあがることが出来ないほどの圧力がある。作品の余韻で静止し、映画化した意味に思いを巡らせる……。映画として残れば、普段新聞を読まない人や活字が苦手な人にも触れる可能性が生まれる。しかもオスカー受賞作。後世にまで影響を与えることができる作品を作り上げたことが本作の功績だろう。(編集部・小松芙未)

映画『スポットライト 世紀のスクープ』は4月15日より公開

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レヴェナント:蘇えりし者
(C) 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

レオ様おめでとう!よくこの作品で引退しなかったね……

『レヴェナント:蘇えりし者』

 レオナルド・ディカプリオの華麗な歴史もの……と思いきや、最初の毛皮を求めるハンターたちと原住民の戦いで一気に吹き飛ばされる。まずアカデミー賞撮影賞V3のエマニュエル・ルベツキによる長回しのカットが、硝煙のにおいや人々の悲鳴であふれる地獄の中心に観客を突き落とす。さらにレオ様が傷だらけになり、足も変な方向に曲がり、喉が食い破られているため痛みを叫ぶことさえもできない状態に。這いずり回って泥だらけになって、口からはよだれを垂れ流し、動物の生肉をむさぼり食うレオ様。もう「様」が付くようなプリンス要素は全くない。だが命を奪うために生にしがみつく彼の姿は、胸の内に自身が生きているという喜びをふつふつと呼び起こす。俳優休止宣言を覆してこの作品に挑んだけれど、よくこれで引退しなかったなと思うほどのレオ様の完全燃焼っぷりに、念願のオスカーが取れて良かったと涙したくなる。(編集部・井本早紀)

映画『レヴェナント:蘇えりし者』は4月22日より公開

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太陽
(C) 2015「太陽」製作委員会

神木隆之介と門脇麦の確かな演技力!違和感のないSF映画

『太陽』

 ウイルスの増殖により、太陽の下で貧しく暮らす旧人類・キュリオと、夜にしか生きられない高い知能を有する新人類・ノクスの二つの世界に分断された近未来を描く本作は、演出家・前川知大の舞台劇を『SR サイタマノラッパー』シリーズの入江悠監督が映画化した異色SFドラマ。神木隆之介門脇麦がそれぞれ、自身の境遇を呪いノクスへの転換手術を希望する青年・鉄彦と、その幼なじみでキュリオとして生きることを誓うも、無断で父に転換手術に応募される結を演じている。太陽により分かたれた寓話的な要素はともするとSF色を強めそうだが、神木と門脇の確かな演技力により鉄彦ら二人の葛藤に引き込まれ、本当の豊かさとは何か? という普遍的な思いを中心に自然な世界観が表現されている。キュリオとノクスの境界は物語が展開するにつれて激しく揺れ動き、時に痛みを感じるが、彼らの無垢(むく)な心を通して見る世界は厳しくも美しい。決断の先に、どんな景色が待ち受けるのか? ラストシーンを照らす光はどこまでも透き通っている。(編集部・高橋典子)

映画『太陽』は4月23日より公開

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ズートピア
(C) 2016 Disney. All Rights Reserved.

映像美だけじゃない!ディズニーアニメ最新作は偏見に切り込む寓話!

『ズートピア』

 『アナと雪の女王』『ベイマックス』に続くディズニーアニメの最新作は、動物たちが暮らすハイテクな文明社会、ズートピアを舞台にウサギの新米警官ジュディが、キツネの詐欺師ニックと共に未解決事件に挑むファンタジーアドベンチャー。何といっても本作が素晴らしいのは、今まさにグローバルな世界に住むわたしたちが考えなくてはいけないこと、「偏見」について説教くさくなく見解を示しているところだ。偏見はよくないことだとわかっていても、それを完璧にぬぐいさることは難しい。しかし、徹底したキャラ作りのうえで描かれる、ジュディとニックが深める絆から、偏見を捨て、今目の前にいる相手を信じることの大切さを学ぶ。また、それぞれの動物の特徴を捉えたリアルな毛並み、現代の大都会を彷彿(ほうふつ)させつつもポップでユニークな街並みなど、圧倒的な映像美には心が躍る。ディズニーアニメ史上最高の全米オープニング興行成績を記録したというのも納得で、将来を担う子供たちに大人が観せるべき一作と言えるだろう。(編集部・石神恵美子)

映画『ズートピア』は4月23日より公開

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