シネマトゥデイ

シネマトゥデイ
ビジランテ
(C) 2017「ビジランテ」製作委員会
製作年:
2017年
製作国:
日本
日本公開:
2017年12月9日
(テアトル新宿ほか)
上映時間:
製作プロダクション:
スタジオブルー
配給:
東京テアトル
製作:
「ビジランテ」製作委員会
カラー

見どころ:『SR サイタマノラッパー』シリーズなどで知られる入江悠監督が、自身のオリジナル脚本で制作した衝撃作。高校生の時に行方をくらませた長男、町の市議会議員の次男、デリヘル業を営む三男が父親の死をきっかけに再会し、逃れられない運命に翻弄(ほんろう)される姿が描かれる。長男を『捨てがたき人々』などの大森南朋、次男をテレビドラマ「ドクターX」シリーズなどの鈴木浩介、三男をテレビドラマ「カインとアベル」などの桐谷健太が演じる。

あらすじ:閉鎖的な地方都市で、三兄弟の次男・二郎(鈴木浩介)は市議会議員を務め、三男・三郎(桐谷健太)はデリヘルで雇われ店長をしており、彼らは全く異なる世界で生きていた。ある日父親が他界し、行方をくらませていた長男・一郎(大森南朋)が30年ぶりに帰郷する。一郎は、遺産は自分のものだと主張するが……。

ビジランテ
(C) 2017「ビジランテ」製作委員会

映画短評

  • くれい響
    監督のさまざまな想いが先走る
    ★★★★★
    »読む«閉じる

    『22年目の告白 私が殺人犯です』を経た、本作の流れは入江悠監督の挑戦が伺えるが、正直もう“地方都市”には戻ってきてほしくなかった感アリ。確かに『ミスティック・リバー』を意識した重厚な演出は見応えアリと言えなくもないが、河川敷などの“このシーンを撮りたい”、「ソープに沈めるぞ!」など“このセリフを言わせたい”といった監督の想いが先走って、脚本の前後の甘さが目立つこともしばしば。『火花』に続いて、改めて芸達者っぷりを感じさせる桐谷健太など、三兄弟の芝居はさすがだが、やっぱり謎の長男の行動など、リアリティを求めてしまうと、ちょっと厳しい。やはり、本気でエンタメを突き進んだ作品が観たいところだ。

  • なかざわひでゆき
    衰退する日本の地方都市で、暴力と差別と憎悪の炎が燃え上がる
    ★★★★
    »読む«閉じる

     急速に衰退し荒廃していく日本の地方都市。その殺伐とした閉鎖的社会の裏側にフォーカスした映画は、近年ますます増える傾向にあると思うのだが、この『ビジランテ』もその一つだ。
     強権的な父親に虐げられ育った3兄弟。それぞれ大人になって違う道を歩んでいた彼らが、土地開発を巡る地方政治のドス黒い闇に引きずり込まれ、やがて狭い地域にくすぶる暴力と差別と憎悪の火種が互いに連鎖し燃え上がっていく。
     今の日本社会を覆いつくす暗澹たる空気を、臆することなく赤裸々に描いている点は評価できる。しかし、もはや経済発展など望めない地方社会にとって、生き残るための必要悪もあるはず。できればそこまで踏み込んで欲しかった。

  • 清水 節
    今年の日本映画ベストワンは入江悠オリジナル脚本監督作に決めた
    ★★★★★
    »読む«閉じる

     地方都市に凝縮された日本の苦悩。三兄弟は呪縛から逃れようともがいている。昭和の悪しき家父長制の後遺症から。蒼き闇夜の川に託される克服しきれないトラウマ。ショッピングモール建設の利権をめぐる政治の闇に、兄弟と周囲の生き様を交錯させ、外国人に対する排他的な現在を射る。相も変わらず欲望と暴力にまみれたこの国の暗部と格闘する入江悠のオリジナル脚本は、インディーズ魂と東映カラーの接合として絶妙だ。主演級3人のみならず、進んで闇を引き受ける篠田麻里子や、保守的な若者の危うさを体現する吉村界人の存在感が際立つ。題名は自警団のみならず、法を超えてでも醜悪さから身を守ろうと葛藤する三兄弟をも指すのだろう。

  • 山縣みどり
    閉鎖的な田舎の歪みや闇が痛い
    ★★★★
    »読む«閉じる

    失踪していた長男が父親の死後に弟二人の人生に波風を立てるだけなら純文学的。でもそこに閉鎖的な田舎の人間関係や暴力的な毒父という闇や歪みが加わり、地方出身の私にぐいぐい迫るリアル感が生まれた。篠田麻里子が演じる次男の妻の立ち居振る舞いなど、「いるいる」な印象で素晴らしい! 過剰な体罰も「よそ様のことだから」で見て見ぬ振りをしていたら、幼子の心がねじ曲がるのは必至。性格も生き方も正反対に見える長男と次男が破壊性と外面の良さという点では毒父にそっくりな大人に成長しているのが切ない。唯一の救いといえるのが桐谷健太演じる半グレの三男で、人を愛することができる彼の優しさは一服の清涼剤となる。

  • 平沢 薫
    この風景はきっと日本中のどこにでもある
    ★★★★★
    »読む«閉じる

     都会でもなく田舎でもない、地方都市の風景が鮮烈だ。緊迫した物語の折々に、地方都市の佇まいが全画面に広がるのだが、その光景が、物語とは別にそれだけで完結する強度を持っている。かつ、きっと日本中のどこにでもある光景だろうと感じさせる普遍性を持っている。なので、その中で描かれる親と子の関係、3人兄弟の関係性のドラマが、画面に描かれる形は過激だが、その根本にあるものは、多かれ少なかれどんな家族にもある普遍的なものであることに気づかされる。そしてその風景の佇まいは、物語が大きく動いてもまったく変わらないように見える。その風景を映し出す画面の色調に、日本映画にありがちな墨っぽい燻みがないのがいい。

  • 森 直人
    今年の日本映画、最後の灼熱の大玉
    ★★★★★
    »読む«閉じる

    『カラマーゾフの兄弟』を彷彿させる父と三兄弟の物語に、「いま」の問題を接続させる試み。サイタマ県の架空の市をグローバリゼーションの縮図とし、シェイクスピアや東映ヤクザ映画、『ミスティック・リバー』等を補強材とする。ザラザラした現実を神話的な構造美で映す政治論的ノワールの傑作を入江悠が放った。

    ここで表象されているのはトランプ・安倍時代の風景だろう。土地と経済の結託が生む暴力性、利権政治や移民排斥を多層的に見つめる描き方。射程は長く広い。日本論に世界を覆う負の連鎖を組み込んだ『22年目の告白』、この10年の浮遊の総括『SR~マイクの細道~』と併せ、三作でワンセットとの捉え方も可能だと思う。

予告編・動画

『サイタマノラッパー』入江悠最新作!『ビジランテ』特報
斎藤工&板谷由夏が『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』など12月中旬のイチオシ新作映画を「はみだし映画工房」で激論!

» 『ビジランテ』の予告編・動画一覧

写真ギャラリー

  • 写真001
  • 写真002
  • 写真003
  • 写真004
  • 写真005
  • 写真006
  • 写真007
  • 写真008
  • 写真009

(C) 2017「ビジランテ」製作委員会

ポスター/チラシ

  • 映画『ビジランテ』ポスター
    ポスター
  • 映画『ビジランテ』チラシ
    チラシ
  • 映画『ビジランテ』チラシ
    チラシ
  • 映画『ビジランテ』チラシ
    チラシ
  • 映画『ビジランテ』チラシ
    チラシ

前売券特典

  • 映画『ビジランテ』オリジナルポストカードセット
    オリジナルポストカードセット

※数量や販売期間が限定されていたり、劇場によっては取扱が無い場合があります。


スタッフ

脚本・監督:
音楽: 海田庄吾
製作・エグゼクティブプロデューサー: 江守徹
エグゼクティブプロデューサー: 加藤和夫
プロデューサー: 佐藤現 / 平体雄二
音楽プロデューサー: 津島玄一
キャスティングディレクター: 杉野剛
企画協力: 國實瑞恵
撮影: 大塚亮
照明: 新井和成
録音: 田中博信
美術: 松塚隆史
編集: 佐藤崇
スタイリスト: 荒木里江
衣装: 越智雅之
ヘアメイク: 金森恵
音響効果: 松浦大樹
助監督: 松本壇
製作担当: 松村隆司

キャスト

神藤一郎:
神藤二郎:
神藤三郎:
神藤美希:
岸公介:
サオリ:
石原陸人:
亜矢:
大迫護:
神藤武雄:
ブログン投稿ブログに投稿
  • FC2ブログに投稿!
  • ココログに投稿!
  • gooブログに投稿!
  • so-netブログに投稿!
  • exciteブログに投稿!
  • Bloggerに投稿!

『ビジランテ』の映画ニュース

  • 老舗映画雑誌「キネマ旬報」が1924年度から発表している「キネマ旬報ベスト・テン」が今年も発表され、石井裕也監督の『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』が日本映画の...:『彼らが本気で編むときは、』 (次点:『ビジランテ』) 【外国映画ベスト・テン】 1位:『わた...
  • 入江悠監督渾身の最新作『ビジランテ』で、これまでの明るいイメージを封印して新境地を見せた桐谷健太が、自ら切り開いてきたこれまでの役者人生を振り返った。 現在、菅田...謝の言葉が次々とあふれてくる。 今回、『ビジランテ』で桐谷が演じたのは、暴力的な父親に苦し...
  • 映画『ビジランテ』初日舞台あいさつが9日にテアトル新宿で行われ、大森南朋、鈴木浩介、桐谷健太、篠田麻里子、入江悠監督が出席。桐谷は舞台あいさつ中に「代表作になりま...明していた。(取材・文:中村好伸) 映画『ビジランテ』は公開中...

楽天市場

ブログなどをご利用の方は以下のURLをトラックバックURLとして指定してください。

  • 「ビジランテ」:ヘヴィーな力作だが、惜しい from 大江戸時夫の東京温度 (2017年12月24日 23時51分)
    映画『ビジランテ』のタイトルを聞いて連想したのは、まず「ビオランテ」。はい、『ゴ ...[外部サイトの続きを読む]
  • ビジランテ 評価と感想/ルックと熱量はいい、ただリアリティが from eigamanzaiの映画レビュー (2017年12月18日 13時9分)
    テーマ盛り込み過ぎて焦点がボケた ☆4点 『SR サイタマノラッパー』シリーズの入江悠監督が出身地・深谷市を埼玉北部の架空の街として描いたオリジナル作品。30年ぶりに戻ってきた長男が次男が相続予定の土地の権利証を手にしてたことから起こる三兄弟の悲劇を描く。トリプル主演に大森南朋、鈴木浩介、桐谷健太 予告編 映画データ (シネマトゥデイ) ビジランテ映画『ビジランテ』の作品情報:『SR サイタマノラッパー』シリーズなどで知られる入江悠監督が、自身のオリジナル脚本で制作した衝撃作。高校生の時に行方をくら&#82 ...[外部サイトの続きを読む]
[PR]
おすすめ特集
映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
楽天市場
スポンサード リンク
  1. 映画
  2. 2017年12月4日の週の公開作品
  3. 『ビジランテ』