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四畳半タイムマシンブルース (2022):映画短評

四畳半タイムマシンブルース (2022)

2022年9月30日公開 93分

四畳半タイムマシンブルース
(C) 2022 森見登美彦・上田誠・KADOKAWA/「四畳半タイムマシンブルース」製作委員会

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

くれい響

見事なまでのクロスオーバー作品

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

「四畳半神話大系」のキャラと設定を使って、『サマータイムマシン・ブルース』をリメイクしたといえる、見事なまでのクロスオーバー作品。TVシリーズから12年ぶりに、「私」のマシンガン独白が炸裂するなか、コーラや河童、ヴィダルサスーンといったおなじみのアイテムが次々と登場。しかも、本多力が17年ぶりに未来からやってきた田村というキャラを演じる遊び心もあるなか、不思議キャラ止まりだった明石さんが、しっかりヒロインになっているところに注目。「四畳半」の続編として観ると、まとまりすぎた感は否めないが、エンドロールに流れるアジカンの新曲まで、どちらのファンの心も掴んで離さないだろう。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

『夜は短し歩けよ乙女』『四畳半神話大系』と併せて3部作?

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 『四畳半神話大系』の登場人物たちと『サマータイムマシン・ブルース』のストーリーを融合させた小説のアニメーション版。Disney+で配信された全6話を再編集しての劇場版だ。監督は湯浅政明→夏目真悟へバトンタッチしたがスタッフは同じということで、和モダンでお洒落でシュールな世界観はテレビアニメ版『四畳半神話大系』そのまんま。呆れるほど下らなくてバカバカしい夏休みのタイムスリップ騒動を、京都のおんぼろアパートを舞台にクセモノキャラたちの奇想天外なドタバタで描いていく。同じ原作著者の『夜は短し歩けよ乙女』『四畳半神話大系』と合わせて3部作の感あり。とにかく楽しい。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

原作の楽しさ、味わい深い世界観を愛おしいまでに映画化

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

原作の楽しさを失わない映画化。原作でもタイムトラベルの辻褄合わせはわかりやすかったが、伏線の張り方などがビジュアルになって、さらにスッキリ理解できる印象。現状、配信バージョンとほぼ同じだが、90分という長さで原作のテンポ良さが加速する。
森見登美彦の味のある粋な文体のセリフをほぼ生かし、世界観もキープ。声の演技もイメージどおり。「未来は自分で」との真っ直ぐなテーマが、ラストシーンまで優しく、ちょっぴり恥ずかしげに提示され、心をキュンとさせたり。
一見、シンプルな作画も、色使い、要所のタッチの変化が計算され巧妙。四畳半の蒸し暑さを微妙なフォーカスの変化で伝えたり、劇場の大スクリーンで観る価値も。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

「四畳半神話体系」のクセモノたちにまた会える!

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 アニメ『四畳半神話体系』、アニメ映画『夜は短し歩けよ乙女』と同じキャラクター原案の登場人物たち、脚本もこの2作と同じ上田誠、監督も2作の絵コンテや演出に参加した夏目真悟。なので、今回のストーリー原案は脚本の上田による別の舞台用の戯曲だが、出来上がったアニメはあの2作の世界のまま。
 クセが強すぎる登場人物たちの四畳半アパートでの大騒ぎは、湯浅政明監督の『夜は短し~』のように世界が踊る幾何学模様になったりはしないが、タイムトラベルものの楽しさを何重にも重ね、それを分かりやすく見せて楽しませてくれる。青春ものだが恋はあっても汗や涙はまるでなく、ただ奇人たちがやりたいことをする痛快さは今回も健在。

この短評にはネタバレを含んでいます
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