うぉっしゅ (2024):映画短評
うぉっしゅ (2024)
シビアなテーマを口当たり良く仕上げたポップ・ムービー
何かしら人生の目的があるわけでもなく、お金のためにソープランドで働いては散財する若い風俗嬢が、ひょんなことから1週間だけ認知症の祖母の介護をすることになる。題材自体はなかなかヘビーだが、しかし語り口はポップでオシャレなほのぼの系。それゆえ、セックスワークを美化している、認知症介護はそんな甘いもんじゃないといった批判も出てきそうだが、しかし本作はあえてそうした厳格なリアリズムから距離を置くことで、シビアなテーマを口当たり良く仕上げている。このちょっぴりほろ苦いけど心温まる寓話的な味わいはとても魅力的。どこまでもナチュラルで飾らない中尾有伽と研ナオコの芝居がまた清々しい。
この短評にはネタバレを含んでいます