6時間後に君は死ぬ (2024):映画短評
6時間後に君は死ぬ (2024)
韓国の社会問題を浮き彫りにするタイムリミット系スリラーの佳作
30歳になっても定職に就くことが出来ず、アルバイトを幾つも掛け持ちするヒロインが、予知能力のある謎めいた青年から6時間後に殺されると告げられ、迫りくる自身の死を防がんと奔走する。その過程で詳らかになっていくのは、競争社会から落ちこぼれてしまった韓国の若者たちが直面する過酷な現実、そんな彼らを自己責任論で一方的に断罪しようとする世間の目。原作は日本の小説だが、しかし「若者の貧困」は日韓両国に共通する問題だ。サスペンス要素よりも社会派ドラマ色が強いのは好き嫌いの分かれる点だろうし、全体的に地味な印象は拭えないものの、それでもなおタイムリミット系スリラーの応用編として一見の価値ありだと思う。
この短評にはネタバレを含んでいます