96分 (2025):映画短評
ライター2人の平均評価: 3.5
職業倫理に重きを置いた、台湾版『新幹線大爆破』
『新幹線大爆破』の模倣と思いきや、さにあらず。本作で重視されているのは、警察など人命を守る職業の倫理のあり方だ。
“全員は救えない”という、冒頭で提示された課題は物語に一貫して流れているテーマ。2か所で同時に爆破事件が起ころうとしているとき、多数を救うべきか、少数を救うか? この問いの重さがドラマをエモーショナルにしている。
時限のスリルは、もちろん魅力。疾走する超特急からどれだけの乗客を救えるのかという興味に、真犯人探しのミステリーが絡んで目が離せなくなる。究極の選択を迫られる主人公にふんしたリン・ボーホンの熱演にも魅了された。
「トロッコ問題」が軸となる、台湾版『新幹線大爆破』
デビュー作『狂徒』で韓国ノワールとは異なる台湾クライムアクションの新星として頭角を現したホン・ズーシュア監督の新作は、台湾映画界では珍しいパニック大作。分かりやすいほど『新幹線大爆破』をベースにしながら、犯人から爆破処理専門家に投げかけられた「トロッコ問題」が大きな軸になっており、究極の選択が迫られる。スリリングなサスペンス演出はまずまずだが、疾走感などのアクションよりもウェットな人間ドラマを重視した台湾映画的展開は賛否分かれるところ。欲を言えば、96分で収めて欲しかったところだが、オールドスタイルのパニック映画として、スター競演映画として、しっかり成立している。





















