ブリング・ハー・バック (2025):映画短評
ライター3人の平均評価: 3.7
多角度から恐怖をあおる波状ホラーの快作!
YouTuber出身のホラー監督の台頭がこのところ目覚ましいが、その先駆けというべきフィリッポウ兄弟のこの長編第2作もかなりのハイクオリティ。
カルト儀式の記録映像を導入にして、平和そうに見えて、じつはまったくそうではない里親家庭の衝撃の事実に迫る。主人公アンディのティーンならではの心情の不安定さや、その妹の目が不自由という設定が随所に生かされ、スプラッター描写ともども魅入ってしまった。
『何がジェーンに起ったか?』から発想を得たという里親の狂気描写や、子役J・レン・フィリップスの不気味としか言いようがない怪演も生き、まさに恐怖の波状。凄まじい。
フィリッポウ兄弟が古典的設定に挑戦
前作『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』で、現在ならではの10代の心理を生々しく描いたフィリッポウ兄弟監督が、今回はその得意技を封印。あえて古典的ホラーの設定に挑み、謎の儀式、怪しい里親、頼る者が誰もいない孤児の兄妹、という定番要素を用いて恐怖の構築に挑む。超常現象よりも人間心理が恐ろしいのは、今回も共通だ。
それにつけても、親切なのにどこか違和感のある里親を演じる、サリー・ホーキンスの演技力に目を見張る。里親の自宅の庭のプールの「水」もモチーフになり、ホーキンスが半魚人と恋に落ちるヒロインを演じた『シェイプ・オブ・ウォーター』とのネガポジ関係を連想させるという隠し味あり。
注目のオーストラリア人ホラー監督が贈る第2弾
「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」で大ブレイクを果たしたフィリッポウ兄弟監督の第2弾は、シンプルさが効果的だった前作より込み入っている。主人公の兄妹、とりわけ17歳のアンディについては、ストーリーが進む中で複雑な過去と内面の葛藤が明かされていく。“悪役”である里親ローラも、モチベーションは救いようのない悲しみから来ているのだ。
そんなふうに下地作りにじっくり時間をかけ、いざクライマックスになると、ホラーの本領が爆発。そこは相当残酷で、目を覆ってしまうことしばしば。サリー・ホーキンスも3人の若い役者たちもみんなすばらしい。ただ、感情面で作り手が望んだであろう深さには達していない。





















