トロフィー:映画短評
攻めに行けるテーマを誠実に優しく。終盤に向けた構成力も鮮やか
物語のテーマを代弁し、心に深く刻まれる複数のセリフが「ここぞ」の瞬間で発せられる、計算された脚本。重要な瞬間をあえて省略する節度の妙。その結果、主人公と家族の置かれている状況や環境が、押し付けがましくなく真摯に伝わってくる。初長編とは思えぬ手堅さ。
シリアスで悲痛になりそうな予感も、ギリギリ地点で覆されるのは、青春映画としての誠実さが貫かれたから。時折、映像から爽やかな風が漂ってくるかのよう。10代ならではの短絡的な行動も「らしい」と共感。
極め付けは舞踊の見せ方。演目への丁寧なオーソドックスさが有無を言わさぬ感動につながった。
★満点でも良かったが、今後の監督としての個性発揮に期待を込めて。
この短評にはネタバレを含んでいます






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