叛逆のサウンドトラック (2024):映画短評
ライター2人の平均評価: 4.5
独自の視点とスタイルを持つ衝撃ドキュメンタリー
昨年のオスカーで長編ドキュメンタリー部門に候補入りした今作は、多くの人が注意を払わないできた近年の歴史の暗い部分に焦点を当てる。独自の視点とスタイルを持ち、観る人に発見、学びを与え、感情を揺さぶる。
ベルギー人監督ヨハン・グリモンプレは、大量のアーカイブ映像によって、コンゴがベルギーの支配下から独立するにあたっての複雑な裏側を見せていく。そこにあるのは、人種差別、偽善、欲、傲慢。ルイ・アームストロング、ニーナ・シモンなど、伝説のジャズミュージシャンは、どうやってそこに巻き込まれていったのか。世界の歴史にはまだまだ知らないこと、知るべきことがたくさんあるのだと改めて実感させられる。
今も続く欧米による植民地主義の断片を暴くビジュアル・エッセイ
1961年に起きたコンゴ共和国初代首相パトリス・ルムンバの暗殺事件を題材に、その背景となった複雑な国際情勢や旧宗主国ベルギーとアメリカの思惑などを、貴重なアーカイブ映像や存命する関係者の証言、そして米外務省主導の音楽親善大使として国策に利用された黒人ジャズ・ミュージシャンたちの演奏をコラージュしながら浮き彫りにする。改めて痛感するのは、奴隷制度の昔からいかに欧米諸国が資源および労働力の搾取を目的にアフリカ大陸を蹂躙し、かの地の政情不安や貧困、治安悪化を招いてきたかということ。それが今も場所や形を変えて継続していることにも気付かされる。そう考えると、欧米諸国に難民・移民を拒む資格などなかろう。





















