わたしの知らない子どもたち:映画短評
戦争の悲劇は終わってからも続く
空襲によって両親を失った少女が、焼け野原となった戦後の東京で身を守るため少年のふりをし、同じような境遇の子供たちと野宿しながら、子供のことなど守ってくれない、守りたくても守る余裕がない、むしろ子供を食い物にしようとする、そんな大人ばかりの殺伐とした社会を生き抜かんとする。戦災孤児の過酷な地獄巡りを、西川美和監督が繊細な筆致と真摯な眼差しで描いた傑作。戦争の悲惨と残酷は戦後も続く。そのしわ寄せを最も受けるのは最も弱い存在たちだ。加えて在日朝鮮人のエピソードが、そもそも日本人が「被害者」ではなく「加害者」であったことを思い出させる。「ネルソンさん」といい本作といい、今年は見るべき邦画が多い。
この短評にはネタバレを含んでいます




















