もしもの愛 (2026):映画短評
「パラサイト」と別アングルの邪(よこしま)な感情の交錯が蜜味
一見、社会派テーマ作品を装いつつ、ポイントは人間の“黒い”本能の数々。ストーリーのあちこちに各人物の危うい感情が仕込まれ、不意に激しい心のざわめきに襲われる。相手のため…と起こした行動が、じつは自己満足。現実だと理解しても、振り払えない嫉妬。他人の物だからこその欲望などなど。そんな側面を映画で味わいたい人には、近年の最高傑作かと。
真意が図りかねるシーンもあるが、それが後から理解できるよう、計算された構成にも唸り、最終的には“本当の幸せは?”に帰着。
“格差”夫婦という設定、チョ・ヨジョンの役柄から『パラサイト』がシンクロするも、同作のエンタメ的な高揚感とは無縁なのもイ・チャンドン監督らしい。
この短評にはネタバレを含んでいます





















