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“男があこがれる男”マット・ディロンが、主演作『酔いどれ詩人になるまえに』を語る!

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マット・ディロン
マット・ディロン

 マット・ディロンが、伝説の作家チャールズ・ブコウスキーを熱演し、“キャリア史上最高の演技”と絶賛を浴びている『酔いどれ詩人になるまえに』が、いよいよ明日公開される。無骨で、タフで、酒と女とギャンブルにおぼれながらも、死ぬまで作品を書き続けたブコウスキーの“作家修行時代”を描いた自伝的小説を映画化。本作で、ジョニー・デップショーン・ペンなど多くのアーティストが心酔した男・ブコウスキーを演じたマットに話を聞いた。

 Q:本作の出演に引かれた理由を聞かせてください

 ブコウスキーは反逆の時代を象徴するような人物だった。おれは、そのスピリットに引かれたんだ。

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 Q:多くの役者が演じたがる“ブコウスキー”役への思いを聞かせてください

 若いときに自分がほれ込んだ人物を演じる日が来るとは思わなかったから、すごいチャレンジだと思ったよ。監督とプロデューサーに「本当に、おれでいいの?」と聞いたくらいだった。

 Q:ブコウスキーという人物は、あなたにどんな影響を与えましたか?

 20代の始めに彼の本をたくさん読んだよ。ブコウスキーの一番好きな部分は、正直さだね。彼はいつも誠実だったと思う。そして彼は物質的なことや社会的なことで得る栄誉には全く興味がなかった。社会に対して反骨精神をずっと貫いていたし、人が見ていないものを見ていたと思う。シリアスな状況を、ユーモアを持って表現できるところは、誰にも真似できないことだと思う。そういうユーモアには、ずいぶん影響を受けたね。

 Q:“ブ男”で有名なブコウスキーですが、デビュー当時から美形と言われていたあなたが“ブコウスキー”になった役作りの過程を教えてください。

 ブコウスキーと比べれば、ほとんどの男が美形だろ(笑)。体重を増やしたり、髪型も少し変えた。外見的なことではずいぶん努力したけど、彼になりきろうとは思っていなかったし、それは自分にはできない。彼の墓碑銘にもなっている「DON’T TRY」という言葉があって、つまり「頑張るな」っていうことだと思うんだけど、それはすべてを投げ出すということではないんだ。物質世界が彼を打ち負かしても、精神的には負けていなかった。頑張りはしないが、自分が信じたものに対しては絶対に妥協しなかった彼の考え方はかなりヒントになったね。

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 Q:ブコウスキーの映画はたくさん作られていますが、この映画ならではのオリジナリティーはどこだと思いますか?

 監督がこの映画にオリジナリティーを持たせているにもかかわらず、たぶん、この映画だけが本当にブコウスキーの原作に忠実ではないかと思うんだ。……というのも、『魅せられたる三夜』を観たけれど、3つの短編物語のようで、その物語は原作とは何ら関係があるようには思えなかった。『町でいちばんの美女/ありきたりな狂気の物語』は話が平たくて延々と続いているみたいだった。だから、この映画は、ほかとは違うと思うよ。

 Q:主人公のチナスキーは、人生が何もかもうまくいかないという壁にぶつかりました。あなたはそんな壁にぶつかった経験がありましたか? そんなときはどのように乗り越えたのでしょうか?

 今まで自分の信念だけは揺らいだことがないので、壁にぶつかったということはないと思う。本当の壁にぶつかったことはあるけどね(笑)。

 Q:『クラッシュ』でオスカーにノミネートされましたが、本作ではさらに高い評価を得ています。40歳となったあなたの仕事へのスタンスは、どのように変わってきましたか?

 それは何も変わらないね。いい仕事をするチャンスが来たら、そのための準備をして、今回みたいな面白い映画に参加する。いい役、いい脚本、いい監督の映画にね。その一方で監督としてやっていける場所があればいいと思っているんだ。

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 ヤングスターとしてもてはやされた青年時代を経て、マットの魅力は年を重ねるごとに増している。20代後半で麻薬常用者の青年を演じ、アイドルスターから見事に脱皮した『ドラッグ・ストア・カウボーイ』、30代で開花させたコメディーの才能、そして40代に出演した『クラッシュ』で初のオスカーノミネート。不良少年たちのあこがれだったマットは、今なお、“男があこがれる男”として輝き続ける。『酔いどれ詩人になるまえに』でスクリーンから香り立つ、マットの男の色香を感じてもらいたい。

『酔いどれ詩人になるまえに』は、8月18日より、銀座テアトルシネマほかにて全国公開。
オフィシャルサイト yoidore.jp

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