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ロッテルダム映画祭で石井裕也監督『君と歩こう』上映!駆け落ち描き観客の心ガッチリつかむ

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(左から)中村無何有、石井裕也監督
(左から)中村無何有、石井裕也監督 - Photo:Harumi Nakayama

 第39回ロッテルダム国際映画祭で世界の話題作を集めた「スペクトラム」部門で、石井裕也監督『君と歩こう』(初夏公開)が上映され、石井監督と共同プロデューサーで俳優の中村無何有が現地入りした。

 石井監督は2007年にぴあフィルムフェスティバルでグランプリを受賞し、2008年には香港で行われたアジアン・フィルム・アワードで第1回エドワード・ヤン記念アジア新人監督大賞を受賞した俊英だ。2年前には同映画祭で新人ながら長編4本が一挙上映されるという強烈なインパクトを残した。その2年前にも石井監督に同行し、すっかり国際映画祭慣れした中村は舞台あいさつで「こんなに多くのお客さんが来たことを日本のスタッフに伝えたいので、皆さんを写真に撮らせて下さい」とカメラを取り出すと客席をパチリ。周防正行監督が海外映画祭で客席を和ませるために考案した同じ秘策を実戦し、上映前から観客のハートをガッチリつかんでいた。

 映画は、片田舎に住む女教師(目黒真希)と両親が自殺して人生に悲嘆していた高校生ノリオ(森岡龍)が駆け落ちして夢の東京に住むも、冴えない日々を送るブラックコメディ。昨年の東京国際映画祭「ある視点」部門にも選出されている。

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上映後のティーチインでは観客から製作体制について質問が及び、石井監督が「1週間で脚本を書き、12日間で撮影しました」と説明すると、客席から驚きの声と拍手が沸き起こった。また、「これは監督の実体験に基づく話ですか?」と監督の私生活を追及するかのような質問も出たが、石井監督は「携帯電話にGPS機能も付いたような現代では、駆け落ちはまず不可能。願望を脚本にしました」と答え、ドラマチックな出来事を期待していた観客をちょっぴり残念がらせていた。 上映後、石井監督は「2年前はワケも分からず映画祭に来たけど、今回は緊張しました。でも観客の反応が良くてホッとしました」と好評価に胸をなで下ろしていた。

なお、石井監督は満島ひかり主演『川の底からこんにちは』(5月公開)が2月11日から行われるベルリン国際映画祭フォーラム部門に出品されており、ロッテルダムから一時帰国した後、再びドイツに向かう予定だ。(取材・文:中山治美)

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