菅田将暉、オファーに迷いも…ボクシング世界王者役を引き受けた理由

俳優の菅田将暉が23日、イイノホールで行われた映画『人はなぜラブレターを書くのか』(4月17日全国公開)の完成披露試写会に出席。ボクシング世界チャンピオンという役に向き合う思いを語った。イベントには、主演の綾瀬はるかをはじめ、當真あみ、細田佳央太、妻夫木聡、佐藤浩市、石井裕也監督も出席した。
本作は、2000年3月に発生した地下鉄脱線事故にまつわる実話を基に、『舟を編む』などの石井監督が手掛けた人間ドラマ。事故から20年以上を経て、犠牲者の家族のもとに届いた一通の手紙によってもたらされる数奇な縁が、奇跡を起こしていくさまが描かれる。
菅田が演じた川嶋勝重は、事故で亡くなった富久信介さん(細田)が通うボクシングジムの先輩で、後に世界チャンピオンとなる人物。菅田は「脚本を読ませていただいて、実際にあった事故を元にしたエピソードからさらに加筆されていて。僕が演じる川嶋勝重選手は世界チャンピオンになった人で、富久信介くんの先輩であるということを知り、受けるかどうか悩みました」とオファーがあった当時を振り返る。
菅田は迷った理由について「過去にボクサー役をやって、ボクシングのしんどさを知っているからとか、っていうことではないんです」と切り出すと「今回は自分のためにするボクシングではなくて、誰かの思いを背負ってリングに立つという役なんです。その姿を通して、富久信介くんが生きた証をスクリーンに残すのが役目。その使命であれば、お受けしたいなと思ったんです」と最終的に役を引き受けた思いを述べる。
話を受けると決断した後、菅田は石井監督と5時間に渡って作品について語り合ったという。石井監督は「本当に熱い話しでした」と振り返ると「今回菅田くんにお願いした役は、本当に偉大なボクサーであり、世界王者。それを演じることは、とてつもないプレッシャー。しかも主役ではないというか、あまり出番も多くない役なんです。少しのシーンのために、世界王者のスキルと体を作らなければいけない。すごく費用対効果の悪い役。菅田くんはとても頭のいい人なので、断るのかなと思ったんです」とぶっちゃける。
それでも菅田はオファーを受けた。石井監督は「天邪鬼なんですかね」と笑うと「でも、ここにやっぱり菅田将暉という人のセンスがあるんだと思います」と作品への臭覚を絶賛する。
菅田は実際の役づくりについて、トレーニングをしたボクシングジムに、妻夫木も通っているという偶然に遭遇し「何かの縁かなと思いました。その後、細田くんも来て、3人で練習ができました。その環境によって、細かい役づくりなんてどうでもよくなりました」と笑う。さらに妻夫木は「皆さん知らないかもしれませんが、妻夫木聡がどれだけ強いか。いつもボコボコにされているんですよ」と発言して会場を笑わせていた。(磯部正和)


