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ジョン・レノン「ダブル・ファンタジー」の未発表映像と音源も!オノ・ヨーコの監修『レノンNYC』

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マイケル・エプスタイン監督
マイケル・エプスタイン監督

 オノ・ヨーコも監修したジョン・レノンを描いた話題のドキュメンタリー作品『レノンNYC / LennonNYC』(原題)がニューヨーク映画祭(N.Y.F.F 48th)で上映され、その記者会見で監督のマイケル・エプスタインが語ってくれた。

 同作は、ニューヨークを拠点に置いたジョン・レノンの1971年~80年までの9年間の活動とオノ・ヨーコとの生活を詳細に振り返った作品で、アルバム「ダブル・ファンタジー」の未発表映像と音源、さらにオノ・ヨーコとの独占インタビューが含まれている。映画は、これまで描かれることがほとんどなかったジョン・レノンの内面や苦悩、さらに家族に対する熱い思いが伝わってくる作品になっている。

 まず、ニューヨークという都市を通してジョン・レノンを語ろうとした理由は、「ジョンが深くかかわっていた都市というと、おそらくリバプールやハンブルクなどがあるが、なぜか僕にはジョンのイメージはニューヨークだったんだ。この地は、ジョンにとって歌手活動、平和運動、家族の全部が1つになった場所でもあると思う」と都市の選択理由を述べた後に、「それが、僕には典型的なアメリカの移民の話に感じられたんだ。当時、ジョンの国外追放処分をめぐる法廷での争いを含め、ジョンを通して何がアメリカを特別な国にしているかを、この映画で語りたかったんだ」と製作意図を教えてくれた。映画内では、国外追放処分について争いながらも、なぜこのニューヨークにジョン・レノンが住みたかったか、その意図が伝わってくる。

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 オノ・ヨーコとのインタビューについては、「この映画のエグゼクティブ・プロデューサーであるスーザン・レイシーは、アメリカの公共チャンネルのPBSで放送されている『アメリカン・マスターズ』という番組で、数々の作品を制作してきたために多くの人から信頼を得ていたんだ。その彼女がオノ・ヨーコにアプローチしてくれて、オノ・ヨーコも同番組のもとで制作されるなら、大丈夫だと思ってくれたんだと思う」と語ったように、承諾はプロデューサーに任せていたようだ。

 さらに「オノ・ヨーコとは、2度インタビューを行ったよ。1度目はニューヨークでの出来事や、答えやすいような質問。2度目は彼女が感情的になるような、聞きにくい質問(ジョンとの一時期的な別れ、ジョンの死についてなど)をすることになった。そのインタビューの内容が素晴らしいだけでなく、彼女は監修も務めてくれて、ときどきテスト・スクリーンに来てはいろいろ提案もしてくれたんだ」と明かしてくれた。オノ・ヨーコが参加したことで、あまり知られていないジョン・レノンの苦悩と家族への思いを垣間見ることができる作品となっている。

 ジョン・レノンを殺害したマーク・チャップマンに触れていないことについて尋ねると、「もちろん、なぜチャップマンがジョンを殺害したのか描くことができたが、これまでと違ったジョンの死を描きたかった。そのため、ファンがジョンの住んでいたダコタ・ハウスの前で深いレベルで意思の疎通をはかろうとしているシーンを選んだ。僕は決してチャップマンの殺害を意味付けることはしたくなかった」と答えてくれた。さらに彼は、この映画はあくまでジョンの観点が中心である事も強調した。

 映画は新たな映像と音源だけでなく、グラフィックやアニメーションなどが編集で施され、質の高いドキュメンタリー作品に仕上がっている。(取材・文:細木信宏)

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