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日米でPR方針が違うヒュー・ジャックマン出演最新作『リアル・スティール』が全米トップに! -10月10日版【全米ボックスオフィス考】

日米でPR方針が違うヒュー・ジャックマン出演最新作『リアル・スティール』が全米トップに! -10月10日版
「お父ちゃんやったね!」「来週はどうなるんだか、気になるな……」 -映画『リアル・スティール』より - (C) DreamWorks II Distribution Co. LLC

 ヒュー・ジャックマン主演の新作映画『リアル・スティール』が、2,732万ドル(約21億8,560万円)の興収を上げて今週の全米ナンバーワン映画に輝いた。(1ドル80円計算)

 日本では、人間にとって代わりロボットがボクシングをするようになってしまった世界で母親の死をきっかけに、ロボット格闘技のプロモーターとして生活している元ボクサーの父と、彼と一緒に過ごすことになる少年とのドラマが描かれる……という形で映画が紹介されているが、アメリカでは映画『トランスフォーマー』シリーズのミニ版ではないかと思うほどロボットをプッシュしたPRをしている。

 ロボットをプッシュしたPR作戦が功を奏したとすると、週末この映画を観に来ていた観客の66パーセントが男性客で、全体の70パーセントが35歳以下であったという客層もうなずける。しかし、そのPR作戦ゆえに、この作品が来週もランキングを維持できるかという大きな疑問が生じる。『トランスフォーマー』的なSFロボットものを期待して観に行ったファンは、やたらと感動狙いなシーンの多いこの映画を観て、SFというよりはむしろファミリー映画的な内容に失望して帰っており、クチコミやオンラインの反応がものをいう映画ファンの世界では、看板に偽りありのPR作戦が来週になって裏目に出る可能性がある。

 今週第2位は、久々ジョージ・クルーニーの監督・主演映画『ジ・イデス・オブ・マーチ(原題) / The Ides of March』で、1,047万ドル(約8億3,760万円)の成績。

 タイトルの「Ides」というのは、古代ローマ暦で3・5・7・10月の15日という意味で使用された言葉である。シーザーが友人ブルータスの裏切りによって家臣たちによって殺害されたのが3月15日であったということと、後にシェイクスピアがこの惨劇を舞台とした芝居として書いた際に「ジ・イデス・オブ・マーチ」という言葉を使用したことなど、この言い回しはある意味で裏切りの象徴として使用されることになったわけである。

 ちなみにジョージ近年の政治サスペンスでは、およそ4,900万ドル(約39億2,000万円)の売り上げを記録した映画『フィクサー』が挙げられるが、残念ながら今回の新作は『フィクサー』の記録にはまだまだ及ばない数字となっている。業界内で非常に好かれているジョージと、ライアン・ゴズリングが共演したが、作品としてはアクションもほとんどない純粋な政治サスペンスであること、そして今の時期、アメリカでは来年に向けて共和党の大統領候補たちが討論会をひっきりなしに行っているため、政治のことならCNNでたくさんという食傷ぎみな映画ファンも多くなっているため、第2位であると思われる。

 代わって第3位は、映画『ドルフィン・テール(原題) / Dolphin Tale』。34.4パーセントの収益ダウンで今週は913万ドル(約7億3,040万円)という結果だったが、現在までのボックスオフィス総計は4,904万ドル(約39億2,320万円)に上り、3週目に入ったファミリー映画としてもまずまずのスタミナ度である。

 第4位も、第2位から落下してしまった映画『マネーボール』で745万ドル(約5億9,600万円)。先週から38パーセントの収益減となっているが、こちらもジャンルにしてみればなかなかの粘りを見せており、これからもジワジワと総合収益を伸ばしていきそうな作品である。

 第5位は、先週のランキングを維持した映画『50/50フィフティ・フィフティ』で565万ドル(約4億5,200万円)。この作品は、末期のガンで死を宣告された青年が主人公にしては意外な人気持続度だが、どうやら観た人の評判はかなりいいようで先週からA−レベルを保っている。重い題材ではあるが、観客はセス・ローゲンが演じる親友と周囲の友情に支えられながら主人公が勇気とユーモアを持って、紆余(うよ)曲折ありながらも突き進んでいく姿に元気をもらったようだ。

 さて次回のランキング予想だが、今週末全米封切り予定の注目3作品中、2作がリメイクもの。ハリウッドの“資源再活用”もほどほどにしてもらいたいところだが、この経済難でスタジオ側も憶病になっており、どこの馬の骨ともわからない大穴作品に懸けるよりは少しでも利益になりそうな安全策を……といった事情がありそうだ。

 週末新作のトップを飾るのは、オリジナルが1984年に公開され、一世を風靡(ふうび)した映画『フットルース』の同名リメイク版。企画が持ち上がった当初は、ザック・エフロンがオリジナルでケヴィン・ベーコンの演じた主人公を演じることになっていたのだがお流れになり、その後監督も主演俳優も二転三転して、結局はジャスティン・ティンバーレイクなどのバックダンサーで最近ダンス映画などにも出始めたほぼ無名のケニー・ウォーマルドが主役に決まった。ザックが主役に決まっていたときはかなり盛り上がっていたリメイク企画だったが、主役がどんどんとマイナーな男優に代わっていくうちに映画ファンの気分も冷めていってしまった感がある。果たして1980年代のオリジナルに恥じない成績を出せるか、注目が集まる。

 週末2本目のリメイク作品は1982年ジョン・カーペンター監督が手掛けたカート・ラッセル主演のSFホラー映画『遊星からの物体X』の同名リメイク映画『ザ・シング(原題) / The Thing』だ。

 オリジナルは、カーペンター・ファンの間ではクラシックの部類に入っているほどの秀作。新作の製作チームは、「本作はリメイクではなく、オリジナル版のストーリーにどうやって到達したかを語るプリコール(前編)にあたる作品である」と言っているのだが、内容を観てみると登場人物の名前と舞台になる基地が変わっただけで基本的なストーリーはオリジナルと似ている。キャストも無名俳優ばかりで新しい映画ファンの興味をそそるキッカケにならず、往年のカーペンター・ファンにとっては、映画『ザ・フォッグ』に続きまたもや名作に泥を塗られるということで恐らく映画館に足を運ばないのでは……。この映画で客足として頼りになるのはハロウィーン間近で恐怖映画に飢えているホラー・ファンくらいかもしれない。時期的にはハロウィーン2週間前でタイミングはいい。この手のホラー映画を好むファンもたくさんいるアメリカなので、デビューで上位にランクインできる可能性は大きい。

 最後の作品は、リメイクではないコメディーものでジャック・ブラック、スティーヴ・マーティン、オーウェン・ウィルソン共演映画『ザ・ビッグ・イヤー(原題) / The Big Year』。ビッグ・イヤーというのは、バードウォッチング大会のことで、ノンフィクションを基に映画化された作品。監督が、映画『プラダを着た悪魔』『マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと』のデヴィッド・フランケルなのでちょっと期待できるかも……。(文・ロス取材: 明美・トスト/Akemi Tosto)


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