実写かアニメか?アカデミー賞作品賞部門とアニメーション部門のビミョ~な境界線

第84回アカデミー賞

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映画のCGI技術は日進月歩-人間にセンサーをつけモーション・キャプチャーのデーターを取得中 - Ethan Miller / Getty Images

 昔はCGというと、アニメーションというイメージがあり、どうしてもマンガや絵といったイメージが強かったが、日進月歩の勢いで進化している映画のCGI技術はその様相や観念を変えつつあり、それはアカデミー賞をつかさどる基本的な概念やルールに影響を及ぼしつつある。

アカデミー賞候補『ヒューゴの不思議な発明』

 映画『アバター』で一躍有名になったCG技術のモーション・キャプチャーだが、映画界の昔の定義から言えばこの技術はコンピューター・アニメーションの一種というイメージがあった。一昔前なら、下手をすると『アバター』もアニメ映画とみなされてもおかしくなかった。

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 だが、コンピューター内で作った映像をコンピューターで動かすというコンピューター・アニメと、俳優たちが演技をしたものに後でアニメーションという皮ふかぶせるモーション・キャプチャー技術は、特に芸術的観点において根本的にプロセスが違う。この点には保守的で有名な映画芸術科学アカデミーも着目しだし2010年においてはアカデミー賞に際して正式に規則を定義しなおし、「モーション・キャプチャーのみではアニメーション技術とみなさず、アニメーション映画とされるには作品の75パーセント以上がアニメーションでなければならない」とアカデミー賞アニメーション部門のルールに改訂をほどこした。

 しかし、問題点はまだまだ山積みだ。特に今年のアカデミー賞作品賞候補にはマーティン・スコセッシ監督の『ヒューゴの不思議な発明』をはじめ、CG技術をほどこした作品がひしめいている。また、長編アニメ賞ではスピルバーグ監督の『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』。あの素晴らしいカメラ技術は本来のCGアニメの考え方であれば撮影技術という部門においては見過ごされてしまいがちだし、登場人物の服装や、街並み、ユニコーン号の壮大な帆船等々、製作デザイン部門へのオスカーにおいても、「アニメーションの中のことだから」と保守的な観点から見てしまえばこれらの素晴らしい業績が脚光を浴びない可能性もある。だが、これらの映画を作るための技術に必要なアイデア、センス、そしてそれを実現させるためのリサーチや努力は実写映画に勝るとも劣らないものなのである。

 既存のものの歴史を変えるには長い時間がかかる。ある意味で今の映画界は芸術面で映画維新といっても良い時期なのかもしれない。なんといってもディズニー映画『レミーのおいしいレストラン』を監督したブラッド・バードトム・クルーズの大作映画『ミッション・インポッシブル:ゴースト・プロトコル』を、そして『ウォーリー』のアンドリュー・スタントンが来年度の超大作SFアドベンチャーで実写映画の『ジョン・カーター』を監督する時代なのである。(文・ロス取材: 明美・トスト/Akemi Tosto)

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