巨匠ペドロ・アルモドバル監督を直撃!アントニオ・バンデラスと再タッグを組んだ『私が、生きる肌』とは?

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ペドロ・アルモドバル監督 - Valerie Macon / Getty Images

 映画『オール・アバウト・マイ・マザー』や『バッド・エデュケーション』など刺激的な映画を作り上げてきたスペイン出身のペドロ・アルモドバル監督が、新作『私が、生きる肌』について語った。

ペドロ・アルモドバル監督映画『私が、生きる肌』場面写真

 同作は、整形外科医のロベル(アントニオ・バンデラス)は、過去に自動車事故によって全身に重度の火傷を負った妻を救えなかったことで、どんな外傷にも耐えることのできる人工皮膚を完成させた。だが彼は、“ある人物”を実験台にして人工皮膚を移植して、亡き妻にそっくりな女性(エレナ・アナヤ)を作り上げていったことで、思いもよらぬ事態が巻き起こるというドラマ作品。監督は、映画『トーク・トゥ・ハー』のペドロ・アルモドバルがメガホンを取っている。

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 20年以上ぶりにタッグを組んだアントニオ・バンデラスについて「今回の彼は、前回一緒にタッグを組んだ『アタメ』(アントニオは精神病院の入退院を繰り返す男を演じていた)とはむしろ対照的な役柄だが、彼の仕事に対するアプローチの仕方は全く変わっていなかった。それに、今でも魅力的な男であることも変わりないよ(笑)。実は、この彼のアプローチの仕方は僕にとっては重要で、前作以降ハリウッドで仕事をしてきた彼は、そのハリウッドのシステムに慣れていた。だから、そんな彼に脚本を渡した際に、彼が『ペドロにすべてを委ねるよ!』と言ってくれたのが僕にとっては大きかったんだよ」と信頼関係がしっかり形成されていたようだ。

 ティエリ・ジョンケの原作「蜘蛛の微笑」との違いについて「この原作を読んだのが10年前のロンドンに向かう途中の飛行機の中で、一挙に読み通してしまった。原作は復讐が中心にある。だが、その原作の映画化に迷っていた際に、細菌のゲノムの構築の記事を読んだんだ。そこが出発点となり、全く原作に記されていなかった人工皮膚の移植を新たに加えることにしたんだ。だから原作は、あくまでインスパイアされたものと言える」と明かした。

 ハリウッドに移らず、スペインで撮影し続けてきた理由については「ハリウッドから僕に映画を制作しないかと依頼されたときは、僕がもう40歳近かったんだ。ただ、その頃はすでにどんな映画をこれから制作していきたいか、自分の中でわかっていた。もちろん、ハリウッドが制作してきた作品は大好きだが、僕の制作経緯はハリウッドの大会社が制作するシステムには合わないと思っていた。だから、僕は今でも低予算で自分の自由に制作できるスペインで映画を撮り続けているんだ」と語り、さらにその選択が自分のあり方であるとも話してくれた。

 映画は、狂気にとらわれたアントニオ演じるロベルと、人工皮膚を移植されたヴェラを演じるエレナ・アナヤの熱演と、ペドロ・アルモドバル監督独自の演出から目を離すことのできない刺激的な作品に仕上がっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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