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41年ぶりカンヌの若松孝二監督に単独インタビュー!三島由紀夫をテーマに割腹自殺を遂げるまでを描く衝撃作

第65回カンヌ国際映画祭

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日本映画界のため、苦言を呈し続けると語った若松孝二監督
日本映画界のため、苦言を呈し続けると語った若松孝二監督

 現地時間25日深夜、第65回カンヌ国際映画祭ある視点部門でオフィシャル上映された『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』を携え、井浦新満島真之介らとカンヌ入りしていた若松孝二監督作がインタビューに応じ、70歳を過ぎてからも精力的に斬新な映画を撮り続ける自らの「映画魂」を垣間見せた。

映画『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』場面写真

 寺島しのぶが第60回ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞に輝いた『キャタピラー』など、海外でも高い評価を受ける若松監督が今回テーマに扱ったのは、三島由紀夫。井浦新を主演に据え、満島ひかりの弟、満島真之介を共演に制作した本作は、三島が私兵的団体「楯の会」を結成し、壮絶な割腹自殺を遂げるまでを描いた。フィクションではありながらも、かなり忠実に当時の三島の言動を描いた衝撃作になっている。

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 昨晩の上映には、深夜にも関わらず老若男女の観客が集まり、海外の三島文学ファンが会場外で議論を交わすシーンも。レッドカーペットを振り返った若松監督は、「いろんな映画祭に参加しているが、どこも客寄せパンダの心境。僕でなく、映画が被写体なので」と41年ぶりのカンヌで謙虚にコメント。だが話題が映画におよぶと、日本映画の現状への過激な発言が次々と飛び出し、「犬猫を扱ったようなものや、アニメや漫画原作の映画は撮れないし撮りたいとも思わない。僕が撮れるもの、自分がイイなと思っているものは、お客様にも満足してもらえると自負しているので、パブリックな反応は気にしない」と断言。

 新たに若松組に加わった満島の起用については「寺島しのぶさんから『とても面白い子がいる』と紹介された」と若松監督。「現場では僕に怒られてばっかりだったから、大変だったかと思うけど、起用するときに、ある程度追い込んでいけば大丈夫と思って、しごいたんだ。カンヌの地に立てて報われたんじゃないかな」と労をねぎらった。若松組常連の寺島については「演技がずば抜けてうまい」と大絶賛。「僕たちの昔見ていたおふくろさんの雰囲気が出せる、数少ない日本の女優」と語り、次回作での起用にも自信を持っていた。

 「僕はいろんなところで日本映画界の体制について吠えているけど、今の日本映画のために、これからもドンドンと苦言を呈するよ。僕が憎まれっ子になっていいんだから、若い映画人には遠慮しないで映画を撮り続けてもらわないと」と語る若松監督。本作では、中高生の入場料を500円に設定するなど、積極的に次世代へ映画のリレーをつなげようとしている。寺島に加え、高良健吾山本太郎高岡蒼甫を起用する最新作『千年の愉楽』の製作も順調に進んでいるほか、新作についても水面下で動いているようで「ただ、趣味がないから365日、死ぬまでコツコツと映画を撮るよ」と強く約束していた。(記者:高松美由紀)

映画『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』は6月2日よりテアトル新宿ほか全国順次公開

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