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『リトル・ミス・サンシャイン』から6年、新作『ルビー・スパークス』について監督が語る!

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左からヴァレリー・ファリス、ジョナサン・デイトン
左からヴァレリー・ファリス、ジョナサン・デイトン

 2006年に全米で人気を博した映画『リトル・ミス・サンシャイン』の共同監督ジョナサン・デイトンヴァレリー・ファリス夫妻が、新作『ルビー・スパークス(原題) / Ruby Sparks』について語った。

映画『リトル・ミス・サンシャイン』写真ギャラリー

 同作は、有名作家カルビン(ポール・ダノ)は創作活動に行き詰まったある日、ルビー(ゾーイ・カザン)という名の女性の夢を見たことで、彼女をそのままキャラクターとして小説を執筆し始めるが、なんとルビーは現実世界に突如現れ、カルビンを翻弄していくというコメディ作品。実生活でもカップルであるポール・ダノとゾーイ・カザンのタッグもが注目で、さらにアネット・ベニングアントニオ・バンデラススティーヴ・クーガンらも出演している。

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 前作『リトル・ミス・サンシャイン』から6年間も掛かった理由について、「実際には、『リトル・ミス・サンシャイン』の後、(多くの制作会社から)相当な数の(出来の悪い)脚本修正のオファーがあったんだ。だが、(この6年間で)自分たちが制作したくない作品に関しては、NOと言うことを学ばされる結果となった」と、こだわりを持った映画製作をしたかったジョナサン。さらに彼は「前作から6年経っているから、いろいろな要素が重なって時間がかかったんだよ。映画を製作することはかなり努力を要するからね。(企画から撮影まで)およそ2年もの期間をこの作品に費やすことになった。それに僕ら夫婦には子どももいて、できる限り彼らと時間を過ごしたかったから、映画製作がなかなか進展しなかった。でも、あの『リトル・ミス・サンシャイン』を製作してから初めて、脚本、キャスト、我々の意図を理解できる製作配給会社の手助けを得て、ようやく製作できたんだよ」とジョナサンが語った。

 ゾーイ・カザンが執筆した脚本の初稿と最終稿はかなり違っているそうだ。ヴァレリーは「脚本は、ゾーイとともに約9か月掛けて執筆したの(ヴァレリーは脚本のクレジットは付いていないが、執筆過程で共にアイデアを出し合ったそうだ)。そのほとんどの過程は内容を編集しながら、ストーリーを徐々に展開させていたったの。初稿では、主役カルビンは父親のことを書いた小説を執筆している設定だったけれど、結局最終稿ではルビーとの関係を描いた小説を執筆している設定に変えるという大きなチェンジがあったわ」と語り、さらにジョナサンは「ゾーイが仕上げた脚本に僕らが幾つか提案すると、ゾーイはその提案を受け入れ脚本に改稿を加え、より素晴らしいものにしてきたんだよ」と付け加えたように、彼らのアイデアもかなり映画内では加わっているようだ。

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 ポール・ダノとゾーイ・カザンは実生活でもカップルであるため、映画内のカップルとして描くうえで、ヴァレリーはどのような点に気をつけたのだろうか。「どんなに彼ら二人が気が合っていたとしても、映画内では、ポールとゾーイの関係にならないように配慮したの。ただ、お互いが付き合って信頼し合っているために、彼らを演出するうえで多くの利点もあったわね。それに、ゾーイの執筆過程からすでに脚本を読んでいたポールは、そのキャラクター、カルビンになりきっていて、普段、撮影数週間前に俳優を雇って、すぐに演じさせることとは全く違っていたの」と答えた。

 映画は、作家が想像した架空の人物が現実に現れるという設定はこれまでも多くの映画で描かれていたが、ジョナサンとヴァレリー夫妻の演出と、ポールとゾーイの息の合った掛け合いが、観客を飽きさせない上質の映画に仕上げている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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