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故・大島渚監督、国内外から再注目 サンセバスチャン国際映画祭での回顧上映決定や渋谷での追悼上映も盛況

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故大島渚監督-サンセバスチャン国際映画祭より提供
故大島渚監督-サンセバスチャン国際映画祭より提供

 スペインで開催される第61回サンセバスチャン国際映画祭(9月20日~28日)で、今年1月に逝去された大島渚監督(享年80歳)の回顧上映が行われることがこのほど同映画祭から発表された。

 大島作品の回顧上映は、2009年にイタリア・トリノ国際映画祭で行われて大きな話題を呼んだのが記憶に新しい。しかし今回は、巨匠の足跡を振り返るだけでなく、文化交流という大きな意味合いもある。

 日本とスペインは今年、仙台藩の伊達政宗が慶長遣欧使節団をスペインとローマに派遣してから400周年にあたることから、今年6月から来年7月まで日本スペイン交流400周年事業が多数開催される。その一貫として映画祭でも日本映画の特集を企画し、中でも世界の映画人に多大な影響を与えた大島監督に着目したという。

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 だが、日本の国際交流基金の協力を得て開催が決定したその矢先に、大島さんの訃報が飛び込んで来たという。映画祭ディレクターのホセ・ルイス・レボルディノ氏は「大島さんの死は、世界の映画史にとって大きな損失」と失意のコメントを寄せている。

 しかし今回上映される24作品のうち、スペイン初上映はなんと15本にも上る。その中には『青春残酷物語』(1960)や『絞死刑』(1968)、『儀式』(1971)といった大島監督を語る上で欠かせない代表作が多数含まれている。ボルディノス氏も「特に初期作品は、帝国主義や性からの解放、あるいは言論の自由を勝ち得るための闘争であり、その勇気と実験に富んだ創造性は敬服に値します」と評価しており、スペインのファンにようやく届けられる喜びを語っている。

 なお、大島監督の追悼上映は現在東京、シネマヴェーラ渋谷で3月29日まで開催されている。連日、多くの観客たちで賑わっており、国内外で大島監督を再評価する機運が高まりそうだ。(取材・文:中山治美)

第61回サンセバスチャン国際映画祭は9月20日~28日開催

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