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松田優作さんへの思い、ヴィゴ・モーテンセンとの友情…石橋凌、ハリウッド進出振り返る

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『ヤクザVSマフィア』撮影を振り返った石橋凌
『ヤクザVSマフィア』撮影を振り返った石橋凌

 故・松田優作さんの故郷・山口県で開催された「第7回周南『絆』映画祭」で、映画『ヤクザVSマフィア』(1993)が上映され、本作に出演する俳優の石橋凌が、優作さんへの思いとヴィゴ・モーテンセンとの友情について語った。

【写真】名優ジャック・ニコルソン主演『クロッシング・ガード』

 ロックバンドARBのボーカルだった石橋は、優作さんの導きで俳優の道を進むようになった。海外進出を夢見ていた優作さんからはしばしば、「日本人俳優がハリウッドに進出するためには英語、全米映画俳優組合(SAG)、差別という壁を乗り越えないといけない」と聞いていたという。その後、優作さんはハリウッド映画『ブラックレイン』に出演。「俳優をクリエーターとして本当に大事にしてくれる国だ」と幸せをかみしめていたという優作さんだが、その後、膀胱がんのために他界してしまう。

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 石橋は優作さんの夢を受け継ぎたいという思いで俳優に転向。そこから間もなくして受けた作品が『ヤクザVSマフィア』だった。「台本を見たら、ヴィゴ・モーテンセンの名前があった。ショーン・ペン監督の『インディアン・ランナー』ですごいやつが出てきたなと思っていたんで、本当に光栄でした」。

 本作をきっかけにヴィゴとの友情が育まれた。後にペン監督の『クロッシング・ガード』のオーディションの話が来た際も、「絶対に役を勝ち取れ」と励まされ、台本の読み合わせにも協力してもらったという。「わたしの役はアジア人のゲイの役だったんですが、アメリカのゲイはこんな感じだからとヴィゴが実践してくれて。それをショーン・ペンの前で披露したらオーケーと。それで役をもらいました」と述懐。その後もヴィゴは、東日本大震災の際は夜中に電話をかけてきてくれ、映画のキャンペーンで来日した際には石橋の家に泊まり、一緒に温泉に行ったこともあったという。

 同作では名優ジャック・ニコルソンとも共演。「彼は日本映画をよく観ているんです。伊丹十三監督の『マルサの女』をリメイクしたいと言っていましたよ」と切り出すと、「スタッフが感動していたのは、彼が休憩中に分厚い演技の本を読んでいたこと。あれだけの人なのにいまだに勉強しているんです」と名優の素顔について語った。

 一連の活躍が認められ、石橋は、優作さんが所属することを熱望していた全米映画俳優組合(SAG)の会員となる。「SAGに入った後はすぐに日本に帰ってきて。優作さんにお線香をあげて報告しました」と述懐した石橋は、「だから『ヤクザVSマフィア』には本当に感謝しています」と笑顔で付け加えた。(取材・文:壬生智裕)

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