黒沢清『ダゲレオタイプの女』がトロント映画祭に!ホラー映画、ヒッチコック、幽霊のタイプ…と質問続々

第41回トロント国際映画祭

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フランス人キャストと共にトロント映画祭入りした黒沢清監督 - AlbertoERodriguez / WireImage / Getty for TIFF

 現地時間12日、第41回トロント国際映画祭で映画『ダゲレオタイプの女』の公式上映が行われ、黒沢清監督がフランス人キャストと共にQ&Aに登壇した。前夜のワールドプレミアに続く2回目の公式上映は平日早朝となったのにもかかわらず、劇場には多くの観客が詰めかけ、黒沢監督に積極的に質問を浴びせた。

『ダゲレオタイプの女』トロント映画祭フォトギャラリー

 オールフランスロケ、全編フランス語、外国人キャストと、黒沢監督にとって初の海外作品となった本作は、世界最古の写真撮影法「ダゲレオタイプ」が引き寄せた愛と死を描くホラー。ある写真展で見た少女の写真からアイデアが生まれたといい、黒沢監督は「苦痛とも快楽とも取れる表情をしていたんです。彼女は撮影のために10分間固定されていたのでこんな不思議な表情になったと説明があり、隣に(人間を)固定する器具も展示してあって、これは映画の題材になるなと思ったのがきっかけです」と明かす。

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 「ステファン(娘をダゲレオタイプで撮ることに執着する、オリヴィエ・グルメ演じる父親)は時代錯誤で狂っているように見えるのですが、僕らがやっている映画を作るという作業はほとんどこれに近いんです。俳優を固定したりはしませんが、ここに立っていてくれと指示したり、何度もテストをしたり、ワンカットを撮るのに1時間も2時間もかけたり。そうすることで映像に何か不思議な力が宿ると信じて作っている、それが映画ですから」とこの撮影法に惹かれた理由を続けた。

 『回路』(2000)や『』(2006)といった黒沢監督のホラー映画は海外でも人気が高いだけに、今回「再びこのジャンルに戻ってきた理由」についての質問も。「ここ最近はこうわかりやすい幽霊が出てくる映画からは遠ざかっていたのですが、昔から“生と死”というのは最も重要と感じているテーマなので、チャンスがある限りこういうタイプの映画は作り続けていこうと思っています」と語り、本作における西洋と日本の幽霊の違いについての質問にも丁寧に答えた。

 また、「ムードの変化がヒッチコック的」という観客からの指摘には、「バレましたね」と笑った黒沢監督。意図していたわけではなかったものの、撮影中に「これヒッチコックぽいなー」と感じたシーンがいくつかあったといい、「音楽を依頼したグレゴワール(・エッツェル)が『これヒッチコックでしょ』『音楽は絶対ヒッチコック風にしたい』と言い出して、『いやそんなことない』『もろやったら恥ずかしいからやめてくれ』と言ったのにやりすぎて。それで音楽はうんとヒッチコック風になってしまったのです」と打ち明け、トロントの観客を沸かせていた。(編集部・市川遥)

第41回トロント国際映画祭は現地時間18日まで開催
映画『ダゲレオタイプの女』は10月15日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国公開

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