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拷問描写が賛否両論の問題作を『ランボー』など手掛ける伝説のデザイナーがポスターデザイン

ポスター制作の裏側を明かした檜垣紀六(右)、清川隆監督
ポスター制作の裏側を明かした檜垣紀六(右)、清川隆監督

 本職の医師ゆえの、医療器具を使った凄惨(せいさん)な拷問描写が賛否両論を集めた『ハッピーアイランド』で「カナザワ映画祭 期待の新人監督2013」に選ばれた清川隆監督の最新作『燈火 TOMOSHIBI』が18日、石川県金沢市で開催中の「カナザワ映画祭 2016」にてジャパン・プレミア上映された。この日は同作のポスターを手がけた伝説のデザイナー檜垣紀六氏も来場した。

伝説の映画ポスターデザイナーが新人監督のためにポスターを制作! 画像ギャラリー

 この日は、日本の辺境に潜入した雑誌の取材班が謎の男に監禁され、日本の商業映画では不可能であろう容赦なさで、阿鼻(あび)叫喚の責め苦を負わされるさまを描き出した『ハッピーアイランド』をリバイバル上映。同作は、映画館の上映が決まりかけては、その内容を観た関係者からノーを突きつけられる、という数奇な道をたどっているいわく付きの作品だ。そしてこの日はさらに、清川監督の最新作『燈火 TOMOSHIBI』も上映。前作の凄惨(せいさん)さからは一転、亡き恋人の実家で起きる怪奇的な出来事を描き出した和ゴシックな屋敷ホラー作品となる。

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 そんな両作のポスターを手がけたのが、『タワーリング・インフェルノ』『ルパン三世 カリオストロの城』『バーニング』『ランボー』など数々の名ポスターを手がけた檜垣氏。彼が手がけた『燈火 TOMOSHIBI』のポスターを見た海外の映画会社が、ポスターのビジュアルを見た途端にすぐにオファーの問い合わせをしてくるなど、そのインパクトは強烈だ。

ポスター
実際のポスター

 「僕はもともと東宝東和で仕事をしていたんだけど、ホラー映画のポスター作りにはセオリーがある」と切り出した桧垣氏は、「役者さんをあまり出さずに、ストーリーを一人歩きさせる時はベースが黒で、写真は2カットから3カット。『燈火 TOMOSHIBI』に関しては、女の子がろうそくを持っているというイメージだけ使った。ろうそくから血が落ちていたら怖いだろうとかね」と解説。

 さらに「バラしてしまうと、色使いは『サスペリア』。いわゆる緑と赤と黄色と、王道の色使いをしてあります。自分で作ったポスターだから、盗作じゃないでしょうけどね」と笑った桧垣氏。「だいたいポスター制作は宣伝部がハンドリングするので、監督と話し合うことはないんですけど、清川さんは初めて一緒にやった監督。実は2013年の映画祭であいさつしたときに名刺を見たらうちの近所で。いつもあいさつしていた方の息子さんだったんですよ」と不思議な縁を切り出すと、「ただ一度、スタンリー・キューブリックは、『時計じかけのオレンジ』のタイトルを世界で同じように描けと言ってきたことがあった。本来なら描けるわけないんですけどなんとかしました。だから清川さんはキューブリック以来の大監督なんです」と笑いながら付け加えた。(取材・文:壬生智裕)

「カナザワ映画祭 2016」は9月25日まで金沢都ホテル セミナーホール(旧ロキシー劇場)にて開催中

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