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諏訪敦彦監督、フランスの名優との想像超えた撮影明かす

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自身のヒーローだったジャン=ピエール・レオについて語った諏訪敦彦監督

 『M / OTHER』『不完全なふたり』などで知られる諏訪敦彦監督の8年ぶりの長編となる『ライオンは今夜死ぬ』の初日舞台挨拶が20日に都内であり、諏訪監督が本作で主演を務めたフランスの名優ジャン=ピエール・レオとの撮影を振り返った。学生時代から「ジャン=ピエール・レオといえば自分にとってヒーローだった」という諏訪監督は、「(現場での)レオには想像がつかないところがあって、彼ってやっぱり『大人』じゃないんだって思いました」と賛嘆(さんたん)を込めて明かした。

【映像】映画『ライオンは今夜死ぬ』予告編

 ジャン=ピエール・レオといえば、フランソワ・トリュフォー監督の『大人は判ってくれない』(1959年)での鮮烈なデビュー後、トリュフォー監督の分身として彼の作品の一連の主人公アントワーヌ・ドワネルを演じ、さらにジャン=リュック・ゴダールジャック・リヴェットの作品でも知られるヌーヴェルヴァーグを代表する俳優。

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 「ゴダール『男性・女性』(1965年)でのレオのタバコのくわえ方を学生の頃よく真似していた」という諏訪監督にとって「レオは昔から観た人を魅了してしまう、とりわけ印象的な俳優だった」とのこと。2012年のラ・ロッシュ=シュル=ヨン映画祭(フランス)で諏訪監督とレオはたまたま出会い「一緒に映画を作ろう」と意気投合。本作での稀有なタッグが実現することとなった。

 撮影は昨年の夏に行われた。現在73歳のレオは「最初は年齢的にも疲れやすかったけれど、撮影が進むにつれてどんどん元気になっていきました」と話す諏訪監督。「演出でレオが求めたのは、何秒立ち止まって、何秒目をつぶり、どこでどう動くかというとても具体的なこと。そこで私が一度動きを見せるんですが、そのとき私の頭にあったのは昔真似していたレオの姿でした。つまりレオの真似をしている私をレオがまた真似る。そうやって新しいレオを再創造している不思議な感覚がありました」と幸福なコラボレーションを語った。

 本作は映画で「死」を演じることに苦悩していた老俳優(レオ)が、南フランスの片田舎で映画ワークショップを行なっていた子供たちと出会い、彼らとの交流によって「生」を取り戻していくというヒューマンドラマだ。劇中では偏屈な老俳優と子どもたちが、時に和やかに時にスリリングな緊張感をはらみながら映画製作に挑む過程がみずみずしく描かれる。共演の子供たちは撮影地近郊でワークショップを行い、諏訪監督が選んだ。

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 諏訪監督は、「子供たちが素晴らしく自由で、無礼で、レオに対して『パピ』(フランス語で『おじいちゃん』『じじぃ』の意)とかって平気で言うんです。それに対してレオが怒ってリンゴを投げつけるという演出だったんだけど、レオは本番で思いっきり子供たちにリンゴを投げつけて。子供たちも『この人頭がおかしいんじゃないか』って驚いた。そんなレオと子供たちのやりとりがとても生き生きしていて、フランス人スタッフもレオのあんな表情は見たことがないって喜んでいました。子供たちのおかげでレオって『やっぱり大人じゃなかった』と改めて思えたんです」と嬉しそうに振り返っていた。(取材/岸田智)

映画『ライオンは今夜死ぬ』は公開中

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