今年の映画界、大手配給の戦略は?「金曜初日」見解に違いも

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記者発表に登壇した、松竹の代表取締役社長・迫本淳一、東宝の代表取締役社長・島谷能成、会長・岡田裕介、東映の代表取締役社長・多田憲之、KADOKAWAの専務・井上伸一郎

 東宝、松竹、東映、KADOKAWAら日本を代表する邦画4社のトップが25日に都内で行われた日本映画製作者連盟の年頭記者会見に出席、2017年の総括と2018年の展望をそれぞれ語った。

【画像】昨年の邦画トップは『名探偵コナン』!

 最初にあいさつに立ったのは、『東京喰種 トーキョーグール』『HiGH&LOW』シリーズ、現在公開中の『8年越しの花嫁 奇跡の実話』など、7本が興収10億円を超えた松竹の迫本淳一社長。「10億円以上の作品をきちっと制作し、また25億円を超えられるようなヒット作もあげられるようレベルアップしていくことが、わたしたちの基本的な課題。それにむかって本年度もがんばりたい」と意気込みを語ると、同社の2018年の注目作として、山田洋次監督の『妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII』、池井戸潤作品初の映画化となる『空飛ぶタイヤ』などをあげた。

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 続いて「2017年は安定した年でした」と振り返ったのは東宝の島谷能成社長。同社の年間興収は620億2,311万2,060円で、『君の名は。』がメガヒットを記録した前年比では72.6%となったが、これは同社の歴代9位の成績となる。同社が目標としている年間興収500億円を、2004年以来14年連続で突破しており、そのうち興収600億円を超えたのは今回で9回目となる。10億円以上の番組は24本と“手堅く負けない”強さを見せた。また2018年のラインアップを「豊作の1年になる」と自負する島谷社長は「近年では最多となる35本の配給を予定しております。共同配給作品を含め、ほぼ半分くらいが自社制作となり、若年向きの作品からシニア向きの作品まで個性豊かな作品が編成できた。1か月に3本くらいの新作が公開されることとなり、大忙しの1年になりそうです」とコメント。

 「特に夏のプログラムが充実していると」と自信を見せており、『劇場版ポケットモンスター 2018』、細田守監督最新作『未来のミライ』、『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE』といったアニメ作品、そして『劇場版 コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-(仮)』、大根仁監督最新作『SUNNY 強い気持ち・強い愛』、木村拓哉二宮和也共演の『検察側の罪人』という6本の夏公開作品を紹介した島谷社長は「洋画も強力な作品が多く公開されるので、にぎやかで熱い夏になりそうです」と笑顔を見せた。

 一方、東映の多田憲之社長は「昨年は収益力の重視という観点から、配給本数を大幅に減らし、19本配給しました。結果的には年間興収が109億円。前年比73%でしたが、定番の『仮面ライダー』『プリキュア』シリーズの(成績の)回復もありまして、1作品あたりの興収は増加しました。懸案であった映画の復活の手がかりをつかんだ1年だったと評価しています」と総括。

 2018年の東映は未発表の作品を含め、18~19本を配給予定。吉永小百合主演の『北の桜守』、役所広司松坂桃李らが出演する『孤狼の血』そして『ドラゴンボール劇場版20作記念企画(仮)』といったアニメ作品にも期待を寄せているようだ。

 最後にあいさつしたのは、KADOKAWAの井上伸一郎専務。「昨年は海外を意識する1年でした」と語る井上専務は「松竹さまとご一緒させていただいた東野圭吾さん原作の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』では大きな成果をあげることができました。この作品では、中国や韓国で原作の販売が大変好調なうえ、中国ではジャッキー・チェンも出演する映画も公開されました。また、韓国では舞台化など多面的な展開もしております。そのおかげもあって、日本で制作した映画版も韓国で300館規模での公開、中国でも邦画としては最大規模の公開が予定されています。今やメディアミックスが国境を越えて展開されているという時代に入ったということを実感する1年でした」と総括。

 また2018年の公開作品として、KADOKAWAと東宝が共同配給を行う総制作費150億円の超大作『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』を注目作として挙げ、「2017年は、日中両国の政府を巻き込んだ一大プロジェクトとなった本作の実現に向けて奔走する1年でした。この取り組みから学んだことは多く、邦画制作の可能性の広がりと、飛躍の可能性を感じました」と充実した表情をみせる。また、人気Jホラー作品のハリウッド版最新作『ザ・リング/リバース』(1月26日)などバラエティー豊かなラインアップに言及した井上専務は「KADOKAWAは今年もチャレンジャーであろうと思います」と締めくくった。

 また、会見中では、近年増加傾向にある「金曜初日」について言及するひと幕も。各社対応はまちまちのようで、日本映画製作者連盟の代表理事を務める東映の岡田会長が「ここ何年かは洋画に合わせて、邦画も金曜を初日にする作品が増えているが、各社の対応によるので、必ず金曜にしなければというわけではない。金曜の午前中に舞台あいさつをやっても、人が集まらないかもしれない。そこは考えていかないといけない」と慎重姿勢を見せると、KADOKAWAの井上専務も「作品に合わせて、金曜初日か土曜初日かは決めていく」と見解を述べる。

 一方、松竹の迫本社長は「例外はあるが、基本的には金曜初日にしたい」と積極姿勢。東宝の島谷社長も同じく積極姿勢を見せており、「積極的に余暇を活用しようと長い間議論をしてきました。今年の4月から金曜初日にそろえていきたいと思っております」と付け加えた。(取材・文:壬生智裕)

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