知的すぎて映画化不可能と言われた…マット・デイモンが13センチになる『ダウンサイズ』

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シュールだけど痛烈な風刺も!マット・デイモン主演『ダウンサイズ』 - (C) 2017 Paramount Pictures. All rights reserved.

 第74回ベネチア国際映画祭のオープニング作品を飾ったマット・デイモン主演映画『ダウンサイズ』は、人間を14分の1のサイズにする技術で、人口増加、経済格差、住宅などの問題解決を試みる“人類縮小計画”に参加する男の姿を描いたダークコメディーだ。メガホンを取ったアレクサンダー・ペイン監督が、ハイコンセプトなあまり、着想からおよそ10年という月日を費やさざるを得なかった本作の製作について振り返った。

マット・デイモンが縮小!映画『ダウンサイズ』予告編

 リアルかつダークユーモアを効かせた作風で知られるペイン監督は、『サイドウェイ』『ファミリー・ツリー』でアカデミー賞脚色賞を受賞、『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』ではカンヌ国際映画祭の最高賞パルム・ドールに輝くなど、監督・脚本家としての手腕を高く評価されている。そんなペイン監督待望の最新作となったのが、人類縮小計画の顛末を描いた『ダウンサイズ』だ。

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 本作の着想から実現までおよそ10年かかったと振り返るペイン監督は、そのワケをこう説明する。「こんなに時間がかかったのには2つ理由がある。まずは脚本が極めて難しかった。執筆にものすごく時間がかかったんだ。コンセプトありきで、どうやったらそのコンセプトを内包したストーリーになるかというのを考えつづけた。どうやって4時間ではなく2時間に凝縮できるかということもね。あまりにも壮大なアイデアを扱っているから、それをかみ砕いていくというか。そういう意味で、脚本が難しかった」。

 ペイン監督は長年のコラボレーターである脚本家ジム・テイラーと執筆を進め、次に頭を悩ませたのは資金集めだったという。「この映画化にはかなりの予算が必要で、僕とジムは何度もこう言われた。僕の言葉ではないと念を押しておくけど(笑)、“あまりにも知的すぎる”とね。いいんだ、それについて反論するつもりはなかった。でも僕たちは予算を正当化する必要があった。スタジオは物語のクオリティーごとにある程度のモデルケースをあてはめていて、スーパーヒーロー映画とかには大金を注いだりするわけだ」。

 しかし、ある出来事をきっかけに映画化にこぎつけることに。ペイン監督は「ある日、パラマウント(・ピクチャーズ)の男性一人がやってきた。彼はもう亡くなってしまったけど、『脚本では意味をなしてないけど、それでもとにかくやってみよう』って言ってきたんだ」と振り返りながら、「僕のキャリアは、いつもある時点で誰かが、『脚本では意味をなしてないが、とにかくやってみよう』と言ってくれる人が現れてくれるかどうかにかかっていたよ(笑)」と、クセのある作風ゆえに映画づくりでは毎回苦労していることを冗談交じりに語る。そんな本作はペイン監督作の中で最も製作費の高い映画になった。

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ベネチア映画祭にて(左より)マット、共演のクリステン・ウィグ、ホン・チャウ、ペイン監督 - (C) 2017 Paramount Pictures. All rights reserved.

 そして撮影75日、ポストプロダクションに約1年と、制作にも時間がかかったそうで、とくにペイン監督にとって初めてのビジュアルエフェクト(VFX)に挑戦したこともその一因となっている。「(縮小した)人間がヘラで持ち上げられる画を撮ったら笑えるだろうと思った」と語るように、普通サイズの人間と縮小した人間を一緒に描くにはVFXは避けられない。「僕はもう50代だけど、VFXを学ぶのはとても面白かった。映画づくりの新たな領域を学ぶというのは興味深かったよ。最近では、VFXはアメリカのブロックバスターだけでなく、どの国でも当たり前になってきているからね」と充実ぶりをうかがわせる。

 そんな意欲作がついに公開されるとなって、ペイン監督は「とにかく大掛かりな映画だった。今回学んだのは、ドリームプロジェクトはもうこりごりだね」と軽口を叩きつつも、「人生のさまざまな観点において大事なのは粘り強さだ。それがすべてだと思う。僕はただ良い映画をつくりたいと思っただけ。それがヒットしてくれればとも願っていたけど。そうすれば、ほかのフィルムメーカーもばかげたアイデアで映画をつくるのに資金集めがしやすいようにね」と熱い一面も垣間見せていた。最後には「宣伝的にもこの映画は苦労するだろう。ハイコンセプトなアイデアに、わかりやすいコメディーでもなく、SFでもない(笑)」と自虐を織り交ぜたコメントで、なんともペイン監督らしく締めくくっていた。(編集部・石神恵美子)

映画『ダウンサイズ』は3月2日より全国公開

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