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注目のオスカー監督、最新作はユダヤ教コミュニティーで苦悩するレズビアンカップルの物語

アレッサンドロ・ニヴォラ(左)とセバスティアン・レリオ監督(右)
アレッサンドロ・ニヴォラ(左)とセバスティアン・レリオ監督(右)

 映画『ナチュラルウーマン』でアカデミー賞外国語映画賞を受賞したセバスティアン・レリオ監督が、初めて英語で手掛けた話題作『ディスオベディエンス(原題) / Disobedience』について、俳優アレッサンドロ・ニヴォラと共に4月23日(現地時間)、ニューヨークのAOL開催イベントで語った。

【作品写真】『ココ・アヴァン・シャネル』でシャネルの想い人を演じたアレッサンドロ

 本作は、イギリス人作家ナオミ・オーダーマンの同名小説を映画化したもの。敬虔なユダヤ教の家庭で育ったロニット(レイチェル・ワイズ)は、疎遠な関係だったラビ(ユダヤ教における宗教的指導者)である父の死をきっかけに、故郷に戻り、かつての恋人エスティ(レイチェル・マクアダムス)と再会する。だが、彼女はすでにいとこのダヴィッド(アレッサンドロ)と結婚していたことから、彼女たちの関係をめぐって、ユダヤ教のコミュニティーを騒がす大きな問題に発展していく。

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 『ナチュラルウーマン』の脚本を書き終えてすぐに本作の脚色を始めたというレリオ監督。「『グロリアの青春』の後、英語圏の映画の制作オファーをいくつかもらったが、その時はその作品群に、あまり共感できるものがなかったんだ。ある時、今作のプロデューサーであるフリーダ・トレスブランコが僕に、会って、今作の根本的なアイデアを話してくれたんだ。脚色と監督をまかされたことがとても心地よかったね」と経緯を説明した。抑圧された敬虔なユダヤ教が背景にあるコミュニティーに、主人公が直面しなければいけない設定が気に入ったそうだ。

 一方アレッサンドロは、「さまざまな要素が僕に興味を抱かせた」と語る。「まず、実生活の僕自身とは全くかけ離れた役柄であること。次に、特別な行儀や作法を必要とする文化的環境に身を置いた人(ユダヤ教のラビ)に、自分の説得力のある演技を通して変貌できること。そして、僕はずっと俳優を通して、ありのままの自分から逃れようとしてきたということ。社会的な自己意識を持っているものの、自分とはかけ離れた役柄を演じた方が、むしろ僕は自由に演じられるんだ。そんな役柄を追い求めていたよ」と語り、近年は役柄の大きさよりも、監督の良しあしで出演を決めることが多いとも明かした。

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 レリオ監督とのタッグについては、「監督は、シーンを念頭に浮かべ、主人公のキャラクターやその周りのキャラクターとの関係に、確固たるアイデアや自信、意見を持っていなければいけないと思うんだ。一方で、雇った俳優やクルーの意見にも柔軟であってほしいとも思っている。俳優は監督にはその両方をバランス良く持っていてほしいと思っているんだ。でも、実際にそんな監督を探すのは困難だったりもするよ。セバスティアンはその二つを持つ稀(まれ)な監督なんだ」と称賛した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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