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配信映画論争の中、Netflixオリジナル映画が映画祭の目玉に

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(右から)本映画祭の目玉作品『鋼鉄の雨』の俳優のチョン・ウソン、映画祭プレジデントのサブリナ・バラチェッティ、クァク・ドウォン

 北イタリアで開催されるアジア映画の祭典・第20回ウディネ・ファーイースト映画祭が現地時間4月20日、開幕した。オープニング作品として韓国映画『鋼鉄の雨』が上映され、出演者のチョン・ウソン、クァク・ドウォン、ヤン・ウソク監督が舞台挨拶を行った。ウソク監督は前作『弁護人』(2013)が第16回で、山崎貴監督『永遠の0』に続いて観客賞の2位に選ばれており、待望の新作を引っさげての凱旋となった。

 同作品は韓国のウェブ漫画「STELL RAIN」(小学館)が原作で、北朝鮮でクーデターが起こる内部闘争を描いたNetflixオリジナル映画。近年、各国の映画祭や映画賞では大手動画配信会社オリジナル作品の扱いに対して、選考外とするか否かさまざまな協議が続けられている。一方で、本映画祭のような小規模の映画祭にとって、動画配信作品を大スクリーンで観賞できる貴重な機会として目玉作品としており、共存の姿勢を表している。

スクリーンでの上映に笑顔で語るチョン・ウソン

 第4回の上映作品『MUSA -武士-』(2001)以来、16年ぶり2度目の同映画祭参加となるウソンも、スクリーンでの上映に「エキサイトしています」と声を弾ませた。さらに客席には、『ベテラン』(2015)と『軍艦島 ディレクターズ・カット』(2017・日本未公開)で参加しているファン・ジョンミンもおり、ウソンとドウォンは「ちょうど前の作品(『アシュラ』)で共演したジョンミンさんと3人でウディネに来られてうれしい」と語り、韓国映画人の絆の深さがうかがえた。

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 同映画祭はイタリアであまり上映される機会のない東アジアと東南アジアの娯楽映画を中心に上映するもの。その中でも韓国は、コンペティション部門(観客賞の対象)に各国最多の14作品が選ばれている。前述したメンバーに加え、女優ムン・ソリが長編初監督に挑んだ『ザ・ランニング・アクトレス(英題)/The Running Actress』、夫のチャン・ジュナン監督が『1987、ある闘いの真実』(9月8日公開)で参加が予定されており、韓国から総勢21人のゲストがウディネ入りする。

(左から)『軍艦島 ディレクターズ・カット』主演のファン・ジョンミン、リュ・スンワン監督、プロデューサーのチョ・ソンミン

 彼らの渡航費などをサポートしているのが政府行政機関である文化体育観光部が管轄するKOFIC(韓国映画振興委員会)。KOFICは朴槿恵(パク・クネ)政権時代に当局の指示を受けて文化人のブラックリストを制作し、反政府的な姿勢をとっていた監督らを排除や差別していたことを認めて謝罪している。

 今回の国を挙げて、同映画祭の節目を祝福するような韓国映画人の大量参加は、韓国映画界の冬の時代の終焉と、文在寅(ムン・ジェイン)政権に代わって再び追い風が吹いていることを表しており、ウディネでもコリアン旋風を巻き起こしそうだ。(取材・文:中山治美)

第20回ウディネ・ファーイースト映画祭は28日まで開催。

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