超低予算、日本の異色ゾンビ映画がイタリアの映画祭で大健闘

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シルバー・マルベリー賞を受賞した映画『カメラを止めるな!』より - ENBUゼミナール

 北イタリアで開催された第20回ウディネ・ファーイースト映画祭の受賞結果がこのほど発表され、低予算映画『カメラを止めるな!』(6月23日公開)がアジア各国の大ヒット映画を抑えて観客賞で2位となるシルバー・マルベリー賞を受賞する大健闘を見せた。一足早く帰国していた上田慎一郎監督はtwitterで「超低予算で無名のスタッフキャストで創った映画が錚々(そうそう)たる巨人達を抑え……少年ジャンプでも却下されそうな筋書き」と熾烈なマンガ界の争いに例えて歓喜を表現した。

 同映画祭は、イタリアではなかなか上映される機会のない東南アジアと東アジア各国の娯楽映画の祭典だ。日本からは現在公開中の佐藤信介監督『いぬやしき』、韓国からは2017年の韓国映画観客動員数ラインキング4位の『犯罪都市』(公開中)、同5位の『軍艦島』のディレクターズ・カット版、同6位の『ミッドナイト・ランナー』、さらに中国からは大ヒット映画『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』と強力なラインナップが揃った。

惜しい!わずか0.007ポイントの差でシルバー・マルベリー賞(2位)に

 その中で『カメラを止めるな!』は監督&俳優養成スクール・ENBUゼミナールがワークショップを行いながら製作するシネマプロジェクト第7弾作品で、製作費などをクラウドファンディングなどで調達。上田監督が劇場長編映画デビュー作なら、俳優はオーディションで選ばれた無名の面々という本映画祭の中でも超マイナーな作品ながら、37分間ワンシーン・ワンカットのゾンビ映画と、それを製作したてんやわんやの舞台裏を描くというユニークな発想が大ウケとなった。

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 日本ではすでにゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018で観客賞に当たるゆうばりファンタランド大賞を受賞するなど高い評価を得ているが、ウディネ・ファーイースト映画祭でも深夜0時からの上映にも関わらず約500人の観客が鑑賞。上映は大いに盛り上がり、同じく同映画祭に参加し、その様子を目撃していた『羊の木』の吉田大八監督が嫉妬したほどだ。

 ただし ゴールデン・マルベリー賞(観客賞1位)を受賞したチャン・ジュナン監督『1987、ある闘いの真実』(9月8日公開)は、5点満点の採点で4.596ポイントだったのに対して、『カメラを止めるな!」は4.589ポイントと0.007ポイントの僅差だったために複雑な心境でもあるようだ。上田監督は同じくtwitterで「銀メダルはうれしさと悔しさが詰まった最高のメダル」とつづっている。

 しかし今回の海外初上映は6月23日からの日本公開の弾みになっただけでなく、海外公開やリメイクなどにも大きな足がかりとなりそうだ。

マイ・ムービーズ賞を受賞したチャップマン・トー(右)と映画祭プレジデントのサブリナ・バラチェッティ

 ちなみにチャン・ジュナン監督『1987、ある闘いの真実』は特別会員によるブラック・ドラゴン賞とW受賞を獲得。また、俳優としても活躍しているチャップマン・トー監督『空手道』は マイ・ムービーズ賞(インターネットサイト「マイ・ムービーズ」ユーザーによる賞)を受賞した。

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 トーといえば第13回大阪アジアン映画祭で功労賞に当たるオーサカ Asia スター★アワードを受賞したもの、その夜にクリスタル製の盾を破損してしまったことで話題になった。今回のトロフィーもベネチアングラスで制作された繊細なものだけに同じ過ちを犯さないか懸念されたが「今回は気をつけます!」と大切にトロフィーを持ち帰っていた。(取材・文:中山治美)

受賞結果は以下の通り。

【観客賞】(ポイントは5点満点)
●ゴールデン・マルベリー賞(1位)4.596ポイント
チャン・ジュナン監督『1987、ある闘いの真実』(韓国・9月8日公開) 

●シルバー・マルベリー賞(2位)4.589ポイント
上田慎一郎監督『カメラを止めるな!』(日本・6月23日公開)

●クリスタル・マルベリー賞(3位)4.317ポイント
リュ・スンワン監督『軍艦島 ディレクターズ・カット』(韓国・日本未公開)

【ホワイト・マルベリー賞】(3人の審査員賞による監督作1、2作目の作品を対象とした賞)
シン・ドンソク監督『ラスト・チャイルド(英題) / Last Child』

【ブラック・ドラゴン賞】(特別会員による賞)
チャン・ジュナン監督『1987、ある闘いの真実』(韓国) 

【マイ・ムービーズ賞】(インターネットサイト「マイ・ムービーズ」ユーザーによる賞)
チャップマン・トー監督『空手道』(香港・第13回大阪アジアン映画祭で上映)

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