超人的な能力を持つ黒人女性ヒーローを描いたSF映画、監督らが語る

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女優のロレイン・トゥーサント(左)とジュリア・ハート監督(右)

 女性のフィルムメイカーを支える注目の映画祭、Athena Film Festivalのオープニングナイトを飾った話題作『ファスト・カラー(原題) / Fast Color』について、ジュリア・ハート監督と女優のロレイン・トゥーサントが、2月28日(現地時間)、ニューヨークのバーナード・カレッジで行われた上映後のQ&Aで語った。

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 地を揺るがす超人的なパワーを持つ黒人女性のルース(ググ・ンバータ=ロー)は、そのパワーを研究しようとする政府から追われる日々を送っていた。次第に、行き場がなくなった彼女は、身の危険を理解しながらも、離れていた娘ライラ(サナイヤ・シドニー)や母親ボー(ロレイン)が住む実家に帰る決意をするが……。映画『ミス・スティーヴンス(原題)/ Miss Stevens』のハート監督がメガホンを取り、彼女の夫で映画『ラ・ラ・ランド』で製作を務めたジョーダン・ホロウィッツと共同で脚本を執筆した。

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 これまでの多くのスーパーヒーローを描いた映画は、白人が何かを崩壊させて地球を救うような映画が多かったが、映画『ブラックパンサー』によってヒーロー映画の形が全て変わったと語るハート監督。「単に男性のスーパーヒーローをそのまま受け継いだような女性を描きたくはなかったの。そこでわたしと夫のジョーダンは、女性たちがその超人的なパワーを駆使して何かを作り出したり、修復したりするような能力を考えついたわ。崩壊させて地球を救うような設定をあえて避けたのよ」主人公は超人的な能力を兼ね備えているが、これまでのスーパーヒーローものとは一線を画した作品に仕上がっている。

 キャスティングについては「夫と共にググが出演している映画『ビヨンド・ザ・ライツ(原題) / Beyond the Lights』を鑑賞したの。それまでググの演技を観たことがなかったけれど、劇中の彼女の役柄の変化が驚くほど素晴らしかったわ。その演技に驚かされたわたしと夫は、超人的な能力を持った女性という当初の設定を、超人的な能力を持った黒人の女性に変えたのよ。実際にググの母親は白人で、父親が黒人という話をきいて、ルースも白人と黒人の間に生まれた設定にしたわ。劇中では、ルースの母親を黒人にしたことで、長年憧れていたロレインにオファーでき、そして引き受けてもらったわ」と満足そうに答えた。

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 そのロレインは、三世代の黒人女性を中心にしたSF映画は珍しく、面白いと思ったと話す。「超人的な能力を備えているけれど、普段はごく普通の女性。実生活でも母親であるわたしにとって、娘を守ろうとする気持ちはとても理解できたわ。何よりも、今作では母性をたたえていることが良かったから、全く頭を悩ますことなく出演を決めたのよ」

 だが、今作はインディー系の映画として製作したことで、スペシャル・エフェクトを手掛ける会社とのタッグは困難を極めたとハート監督は語る。「多くのスペシャル・エフェクトの会社は通常、予算の問題から、小さなインディー系の作品には関わったりしないの。でも、説得してみたら、大作ではできないインディー系ならではの新たなものを作る機会が与えられ、逆に興奮して参加してくれたわ。ただ、何かを作ったり、修復したりする能力を持った家族を描いている作品ということで、スペシャル・エフェクトの会社の人たちにその説明をするのは苦労したわ」(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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