窪田正孝、一緒に暮らしたら「幸せになれる」男になった!三池監督がカンヌで語る変化

第72回カンヌ国際映画祭

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カンヌの輝く海をバックに! - 三池崇史監督と窪田正孝

 第72回カンヌ国際映画祭「監督週間」に選出された映画『初恋』の三池崇史監督と主演・窪田正孝が現地でインタビューに応じ、待ち望んだ久々のタッグで感じたことを語り合った。自身の原点と語るテレビドラマ「ケータイ捜査官7」(2008)、映画『十三人の刺客』(2010)を経て三池監督との現場を待ち望んできた窪田。先んじて行われた会見では三池監督について「柔らかさが出てきた(と生意気ながら感じていました!)」と語っていた窪田だが、監督から見た窪田の変化とは?

【動画】窪田正孝主演!三池崇史『初恋』超特報映像

三池監督:本質的なところは変わらないんですけど、一生懸命の方向が変わりましたね。以前は周りにいる人間も圧を感じるような一生懸命さがブワーッと出ていた。それはそれですごく心地良くもあり、それに引っ張ってもらえる部分もあるんですけど、今はそうしたものを内に秘めて、冷静に周りの環境を観察し、取り入れている。個人的な考えですけど、作品の中で自分が役者として生きるためには、周りを生かす必要もある。作品そのもの、その画そのものといったものを、相手の芝居も含めて把握し、取り込んでいくという、そういう点をもう手に入れているのかな、と思います。前は結構ね、こんな感じで(※一点に集中しているジェスチャー)、話し掛けてもうなずいているんだけど、違うこと考えているというか(笑)。「こいつと一緒に暮らしたら大変だろうな」みたいな感じだったけど、今は「幸せになれるかも!」みたいな(笑)。

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窪田:アハハハ! うれしい! 昔、三池さんに「こういう男は絶対彼氏にしたくない」って言われましたもん(笑)。それをすっごく覚えています。

Q:周りを生かすという点は、ご自身も意識されているのですか?

窪田:そうですね。以前は没頭することしかできなかったので、全部捨て身でやっていて。それくらいまで追い込まないと納得がいかないというか、成立しないという風に思っていたんです。「ケータイ捜査官7」と『十三人の刺客』の時は特にそうでしたね。『十三人』の時は死が近くにありましたし、「ケータイ」の時も相棒を救うために走り回ってチャリンコでずっこけて、鎖でつながれて(笑)といったことがずっとあったので、結構ケガも多かったんですけど、でも今はちょっとこう……昔は捨て身でやっても持ったんですけど、今はちょっと持たなくなってきたなというのもあります(笑)。

三池監督:(笑)。つまり演出するようになったんですよね。自分が芝居をしながら相手の芝居を引き出し、相手を光らせる。相手が光るので、今度はその光を受けて自分も光り、お互いに高まっていくというような……。昔は「まずは自分が!」ってグワッと懸命だったんですよ。それでテンポが合わないと、「イヤー! そうじゃない! もうちょいそこはこんな感じで!!」と。それでストレスもたまっていたんだと思うんですけど、今は「ああ、なるほどね。そういう感じでやるのね」という感じで。

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窪田:フフフ(笑)。

三池監督:今回の『初恋』は全く違いますからね。ほとんど新人に近い女の子(モニカ役の小西桜子)が相手役なので、プレッシャーをかけるよりも、自然にそこにいて、彼女のいいところを引き出す。小西さんの今だから輝けるところが、冷静に見えていたんだと思いますよ。彼女も随分救われたはず。“引き出していく”という部分が、本当に変わった。普通、人は失くしていったり、変に変わっちゃったりするんですけどね。特に俳優って下から出てきてガーって上に行くから、「え!?」って思うくらい変わっちゃう人もいるわけです。そういう変わり方は全くないですね。おんなじ。「え!? まだ暑苦しいの? そんなに熱いの?」みたいな(笑)。でも気配は随分、変わりましたよね。

Q:三池監督は前回、カンヌ監督週間に『極道大戦争』が選出された時は欠席でした。

三池監督:忙しかったんです(笑)。カンヌには7回呼ばれて、そのうち2回来てないんです。カンヌとしては「ありえねえ」と。でも、ちゃんと反省してビデオレターを送りました。芸者の恰好をして、「富士山の裾野で芸者の修行を始めたところなので行けません」と。

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窪田:こういうところなんですよね~(笑)。本当にユーモアというか……。本作の一報出しの時にコメントを書かせてもらったんですけど、三池さんは(ヤクザもたくさん出てくるバイオレントな映画なのに)「バイオレンスよ、さらば」みたいな一言で。本当にもう(笑)。

三池監督:でもそういう映画なんですよね。死をもってバイオレンスを完結して、二人(ひょんなことからアンダーグラウンドの世界に足を踏み入れることになった窪田演じるボクサーのレオと、小西演じるモニカ)が逃げる道筋をバイオレンスの人たちが作ってくれる。アウトローたちから見た二人は、自分たちの生きた証になるわけです。「お前らはうまく生きていけよ」と。だから映画は「さらば、バイオレンス」を語っていると思って(笑)、撮っていたんですよね。

窪田:(笑)。

三池監督:希望の光が見える、再生できる、というかね。今はいろんなことで大変じゃないですか? 一度失敗したらなかなかはい上がって来られない。いや、でもそんなことないんじゃない? と。考え方次第で何とでも、生きていればチャンスはあるんじゃない? と。

Q:三池監督いわく「初めて撮ったラブストーリー」とのことですが、窪田さんはラブストーリーという点は意識して演じられたんでしょうか?

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窪田:ラブストーリーという意識は正直なかったです。でも、どこか同じ境遇で、たまたま出会った二人が、一緒に生きていくことを決める。それが本当に、最後のワンカットに詰まっていると思いました。『初恋』というタイトルですが、ふたを開けてみると人の欲望だったり、プライドを賭けた戦いだったりがある。いわゆる恋愛・青春映画とはアプローチが全然違いますが、ある意味、本当の恋愛映画だと、映像を観た時にすごく感じました。エンドロールの最後の引きとか、僕たちはカメラが遠すぎてどこにあるのか全くわからないくらいだったんですけど(笑)、でも本当に何度もやらせてもらって、全てのタイミングが合致した時に、これは本当に“初恋”だなと。レオ自身が彼女と出会って、子供が青年になった感じといいますか。台本では自分の想像が欠けていた部分だったんですけど、映像で観た時になるほどな、とすごくしっくりきて。エンドロールまでめっちゃかっこ良かったので……んーすごいっす! 本当に試写で観てヤバかったですね。

三池監督:フフ(笑)。

窪田:冗談抜きで、(こんなにヤバイのは)『十三人』以来ですね。はい(笑)。本当にそう思いました。

 窪田はスケジュールの都合で出席はかなわなかったものの、現地時間17日に行われた公式上映では800席が満席になり、入場できない観客も出るほど。上映中は笑いや拍手が沸き起こり、上映後には「ブラボー!」の声が上がるなど、二人の渾身の一作はしっかりとカンヌの観客に届いたようだった。(編集部・市川遥)

映画『初恋』は2020年全国公開
第72回カンヌ国際映画祭は現地時間5月25日まで開催

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