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第74回カンヌ国際映画祭(2021年)コンペティション部門24作品紹介

第74回カンヌ国際映画祭

第74回カンヌ国際映画祭ポスター
2021 Official Poster ~ Photograph of Spike Lee courtesy of Bob Peterson & Nike(C)All rights reserved Graphic design(C)Hartland Villa

 7月6日~17日(現地時間)に開催される第74回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門24作品を紹介(コンペティション外を除く)。審査委員長には、前回予定だった映画『マルコムX』『ドゥ・ザ・ライト・シング』などのスパイク・リー監督が務める。ポール・ヴァーホーヴェンナンニ・モレッティイルディコー・エニェディマハマト=サレ・ハルーンほか実績十分の監督がそろう中、日本からは2度目の出品となる濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』の受賞に期待がかかる。本年度のパルムドールは誰の手に渡るのか? (文:岩永めぐみ/平野敦子/本間綾香)

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<パルムドール(最高賞)>『ティターヌ(原題) / Titane』

製作国:フランス、ベルギー
監督:ジュリア・デュクルノー
キャスト:ギャランス・マリリエヴァンサン・ランドン

【ストーリー】
10年前に失踪したヴィンセントの息子が見つかる。息子は空港の税関に連れられて帰ってくるが、その直後に恐ろしい出来事が起こる。

【ここに注目】
カニバリズムを扱った衝撃的な長編デビュー作『RAW 少女のめざめ』(2016)がカンヌ国際映画祭批評家週間で上映され、FIPRESCI賞(国際映画批評家連盟賞)を受賞したジュリア・デュクルノー監督。本作は彼女の5年ぶりの新作となるスリラー。『ティエリー・トグルドーの憂鬱』(2015)で本映画祭男優賞に輝いたヴァンサン・ランドンや、『RAW 少女のめざめ』で主演を務めたギャランス・マリリエなどが出演する。

<グランプリ>『コンパートメントNo.6(英題) / Compartment No. 6』

製作国:フィンランド、ロシア、エストニア、ドイツ
監督:ユホ・クオスマネン
キャスト:ユーリー・ボリソフセイディ・ハーラ

【ストーリー】
若いフィンランド人女性は、モスクワでの情事から逃れようと電車に揺られ、北極圏最大の都市ムルマンスクを目指す。彼女は長距離の寝台列車の狭い客室をロシア人炭鉱労働者と共有にすることになり、いや応なく自らの問題と向き合うことになる。

【ここに注目】
長編デビュー作『オリ・マキの人生で最も幸せな日』(2016)で、第69回本映画祭ある視点部門グランプリを受賞した、フィンランドのユホ・クオスマネン監督による人間ドラマ。フィンランドの作家ロサ・リクソムの「ヒュッティ・ヌメロ6(原題) / Hytti Nro 6」を原作に、寝台列車で偶然出会った二人の登場人物たちの、運命を変える出会いを描く。『シルバー・スケート』(2020)などのユーリー・ボリソフ、フィンランドのテレビでも活動するセイディ・ハーラら共演のロードムービーが胸に迫る。

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<グランプリ>『ア・ヒーロー(原題) / A Hero』

ア・ヒーロー
Picture of the Movie(C)AmirhosseinShojaei

製作国:フランス、イラン
監督:アスガー・ファルハディ
キャスト:アミール・ジャディディモーセン・タナバンデ

【ストーリー】
ラヒムは借金を返すことができず、刑務所に入れられる。2日間の外泊を許された彼は、借金の一部を支払うことで提訴を取り下げてもらえるよう債権者を説得しようとするが、期待どおりにはいかないのだった。

【ここに注目】
ベルリン国際映画祭金熊賞の『別離』(2011)とカンヌ国際映画祭脚本賞の『セールスマン』(2016)がいずれもアカデミー賞外国語映画賞を受賞するなど、イランの名匠として名高いアスガー・ファルハディ監督の心理スリラー。前作の『誰もがそれを知っている』(2018)ではスペインが舞台だったが、本作は再びイランで作り上げた。出演は『ロスト・ストレイト』(2018)でのアミール・ジャディディ、『50人の宣誓』(2019)などで監督としても活動するモーセン・タナバンデ、『白い風船』(1995)などのフェレシュテー・サドル・オーファンなど。

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<審査員賞>『メモリア(原題) / Memoria』

製作国:コロンビア、メキシコ、フランス、イギリス、タイ、ドイツ、中国、スイス
監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン
キャスト:ティルダ・スウィントンダニエル・ヒメネス・カチョ

【ストーリー】
蘭専門のスコットランド人園芸家ジェシカが、病気になった姉妹に会うためコロンビアのボゴタを訪れる。そこで彼女は、建設計画の調査のためにボゴタに来ていたフランス人考古学者と地元の若いミュージシャンと親しくなる。しかし、毎晩爆発音に悩まされ、次第に眠りを妨げられるようになる。

【ここに注目】
ブンミおじさんの森』(2010)で第63回本映画祭のパルムドールを受賞したタイの鬼才アピチャッポン・ウィーラセタクン監督が、『ナルニア国物語』シリーズなどの実力派女優ティルダ・スウィントンを主演に迎えたドラマ。これまでタイを舞台に独特な幻想世界を描いてきたウィーラセタクン監督だが、長編劇映画9作目となる本作で初めてタイを飛び出し、南米コロンビアで撮影を敢行。ティルダのほか『ランジェ公爵夫人』(2007)のジャンヌ・バリバールなどが出演する。

<審査員賞>『アヘッズ・ニー(英題) / Ahed's Knee』

製作国:フランス、イスラエル、ドイツ
監督:ナダヴ・ラピド
キャスト:ヌル・フィバクアブシャロム・ポラック

【ストーリー】
イスラエルの映像作家は、失敗を覚悟の上で、ふたつの戦いの真っただ中に身を投じざるを得なかった。その戦いのひとつはこれまで享受してきた自由が奪われることへの抵抗であり、そしてもうひとつは母親の死への抵抗だった。

【ここに注目】
『シノニムズ』(2018)などのイスラエル人監督ナダヴ・ラピドが手掛けたヒューマンドラマ。テルアビブ大学で哲学を学び、イスラエルの名門サム・スピーゲル映画テレビ学校を卒業した彼が製作する作品は、常に法と秩序、詩的なものと物質主義の間で起こる激しい対立をテーマに描かれる。『シノニムズ』が第69回ベルリン国際映画祭コンペティション部門の最高賞の金熊賞と、FIPRESCI賞(国際映画批評家連盟賞)を受賞した気鋭監督の躍進に注目が集まる。

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<監督賞>レオス・カラックス『アネット(原題) / Annette』 ※オープニング作品

製作国:フランス、メキシコ、アメリカ、スイス、ベルギー、日本、ドイツ
監督:レオス・カラックス
キャスト:アダム・ドライヴァーマリオン・コティヤール

【ストーリー】
スタンダップコメディアンのヘンリーと、世界的な人気歌手のアンが恋に落ち、娘アネットが生まれる。2歳になったアネットは、驚くべき才能を開花させるようになり、娘の圧倒的な存在に両親の人生は大きく揺さぶられていく。

【ここに注目】
ポンヌフの恋人』(1991)、『ポーラX』(1999)などで知られるフランスの鬼才レオス・カラックスが監督した初の英語作品。アダム・ドライヴァーがヘンリーを、マリオン・コティヤールがアンを演じたミュージカル劇で、ロックバンド「スパークス」のロン&ラッセル・メイル兄弟がオリジナル楽曲および脚本を手がけた。音楽プロデューサーとして『ラ・ラ・ランド』(2016)のマリウス・デ・ヴリーズも参加。また、水原希子が出演を果たしている。

<男優賞>ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ『ニトラム(原題) / Nitram』

製作国:オーストラリア
監督:ジャスティン・カーゼル
キャスト:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズエシー・デイヴィス

【ストーリー】
1996年、オーストラリア・タスマニア島の観光地ポートアーサーで大量殺人事件が発生。男がカフェで銃を乱射して35人が亡くなり、23人が負傷した。何が男を蛮行に駆り立てたのか、その背景にあったものは……?

【ここに注目】
マクベス』(2015)、『アサシン クリード』(2016)のジャスティン・カーゼル監督が、オーストラリアの銃規制法改正に影響を及ぼしたポートアーサー事件を映画化。カーゼル監督作『スノータウン』(2011)、『トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング』(2019)を手がけたショーン・グラントが脚本を執筆した。キャストは『ゲット・アウト』(2017)の個性派俳優ケイレブ・ランドリー・ジョーンズのほか、ジュディ・デイヴィス、エシー・デイヴィス、アンソニー・ラパーリアなど。

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<女優賞>レナーテ・レインスヴェ『ザ・ワースト・パーソン・イン・ザ・ワールド(英題)/ The Worst Person in the World』

ザ・ワースト・パーソン・イン・ザ・ワールド
Poster of the Movie(C)Design : Benjamin Seznec / TROIKA

製作国:ノルウェー、フランス、スウェーデン、デンマーク、アメリカ
監督:ヨアキム・トリアー
キャスト:アンデルシュ・ダニエルセン・リーレナーテ・レインスヴェ

【ストーリー】
30歳を目前にしたジュリーは、この4年間さまざまな出来事に遭遇しながらも、なんとかそれをやり過ごしてきた。彼女にとって恋愛問題は身近で、仕事の面でも必死にキャリアを積もうと奮闘するがうまくいかず、ついに壁にぶち当たる。

【ここに注目】
デンマークの鬼才ラース・フォン・トリアー監督の甥にあたる、『テルマ』(2017)などのヨアキム・トリアーが監督と脚本を手掛けたコメディー。ノルウェーの人気女優レナーテ・レインスヴェがヒロインを演じ、『パーソナル・ショッパー』(2016)などのアンデルシュ・ダニエルセン・リーらが共演する。『オスロ、8月31日』(2011)を第64回本映画祭ある視点部門に出品し、『母の残像』(2015)を第68回本映画祭コンペティション部門に出品した俊英監督の勝利が目前に迫る。

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<脚本賞>濱口竜介、大江崇允『ドライブ・マイ・カー』

製作国:日本
監督:濱口竜介
キャスト:西島秀俊三浦透子

【ストーリー】
脚本家の妻と幸せに暮らしていた俳優・演出家の家福。しかし突然、妻はある秘密を残して他界してしまう。2年後、車で演劇祭に向かった家福は、専属ドライバーのみさきと出会い、彼女と過ごす中でこれまで目を背けていたことに気づく。

【ここに注目】
村上春樹の同名短編小説を、濱口竜介監督が西島秀俊主演で映画化。濱口監督作がカンヌ国際映画祭コンペ部門に出品されるのは、2018年の商業デビュー作『寝ても覚めても』(2018)に続いて2度目となる。これまでに共同脚本作『スパイの妻<劇場版>』(2020)がべネチア国際映画祭で銀獅子賞、短編集『偶然と想像』がベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ)に輝いており、カンヌでの受賞にも期待がかかる。共演は岡田将生霧島れいか、三浦透子。

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