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西川美和、新作で佐木隆三「身分帳」を映画化!公開は2021年

西川美和、初の小説原案に挑む
西川美和、初の小説原案に挑む - Pacific Press / Getty Images

 『ディア・ドクター』『永い言い訳』などで知られる西川美和監督の最新作の製作が決定したことが明らかになった。原案は「復讐するは我にあり」などの佐木隆三による小説「身分帳」で、公開は2021年の予定となっている。

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 西川は2002年、平凡な一家の転覆劇を描いた『蛇イチゴ』で監督デビュー。その後は『ゆれる』『ディア・ドクター』『夢売るふたり』『永い言い訳』などの話題作を発表してきた。2015年には、映画に先行して上梓した「永い言い訳」が第153回直木賞の候補となるなど、小説家としても高い評価を獲得している。

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 デビュー以来、オリジナル脚本による作品を多く発表してきた西川だが、今回は「身分帳」を自ら映画化権の交渉をしてまで挑戦したいと考えたという。同作は今村昌平監督によって1979年に映画化もされた「復讐するは我にあり」の原作者として広く知られ、実際の犯罪をテーマに小説やルポルタージュを発表し続けた佐木の伊藤整文学賞受賞作品(1991年度、第2回)。人生の大半を獄中で暮らした実在する男性をモデルに、出所後に戻ってきた日常社会で苦労を重ねながらも懸命に生きる、純粋な魂の持ち主の人生を精緻に描いている。

 社会の温かさと冷たさと両面に触れ、少しずつ前に進む主人公の奮闘に惹かれたという西川監督は「佐木隆三さんが書かれた小説は約30年前の日本を舞台にしていますが、もしも今の時代に主人公が出所してきたら、人々はどのように受け止め、彼にはどのような生活が待っているのでしょうか。現在の実情を取材して再検証し、この物語をもう一度届け直したいと考えています」とコメントを寄せている。

 映画のタイトルは未定となっており、制作は10月より開始される。西川は脚本も担当する。(編集部・大内啓輔)

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