実在の殺人鬼役に若手俳優抜てき!名匠ファティ・アキン、起用秘話明かす

ファティ・アキン監督がサプライズ登場!
ファティ・アキン監督がサプライズ登場!

 ドイツを代表する映画監督ファティ・アキン(46)が23日、都内で行われた映画『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』(2月14日公開)の一般試写会上映後にサプライズ登壇し、ティーチインを行った。

激似!ヨナス・ダスラー演じるフリッツ・ホンカとフリッツ本人【画像】

 本作は、1970年代のドイツ、ハンブルクで起きた連続殺人事件の犯人フリッツ・ホンカの凶行を描いた実録サスペンス。残虐で不道徳だが、圧倒的な熱量をかもし出す映画を鑑賞したばかりの観客に、アキン監督の登壇がアナウンスされると会場からは驚きの声が。観客の前に姿を見せたアキン監督は「僕は数年に一回、日本に来るようにしていて。それくらい日本が大好きなんです」とあいさつした。

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 映画の原作は、ハインツ・ストランクのベストセラー小説「The Golden Glove(英題)」。発売初日に本を購入し、半分ほど読み進んだアキン監督は、すぐに小説の映画化権を獲得することを決めたという。監督は「その時は映画化するかどうかは決めていませんでしたが、悩んでいる間に他の人に映画化権を取られてしまうのが嫌でした。その後も映画化するかどうか悩んでいましたが、(前作)『女は二度決断する』が第75回ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞を受賞したので、劇中にゴールデン・グローブというバーが出てくる作品は作らなければと。それが決め手となりました」と映画化の経緯を説明する。

 主人公ホンカを演じたのは、1996年生まれで、『僕たちは希望という名の列車に乗った』で注目を浴びた23歳の若手俳優ヨナス・ダスラー。端正な顔立ちのヨナスだが、本作では彼の年齢より20歳も年上で、かつ交通事故で鼻が砕かれ、後遺症が残るホンカを熱演している。「ホンカという男をそのまま描いて共感してもらうことは難しい。彼自身、幼少時代にヒドい目にあったということもありますが、だからといって彼が哀れな人間なのだと同情を誘うような描き方はしたくなかったんです」と切り出したアキン監督は、「そこで若手俳優をキャスティングしようと考えました。ヨナスは当時22歳。若い人は目にイノセンスが宿っている。それは、特殊メイクをしたとしても、隠しきれるものではありません。目に宿るイノセンスがあれば、観客はついてきてくれるんじゃないかと思いました」とヨナスを抜てきした理由を明かした。

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ファティ・アキン
日本が大好きなファティ・アキン監督

 またアキン監督は、ヨナスを「若くて強い、野心を持った役者」と評価。殺人鬼という難しい役どころを受けたヨナスについて「今回のオファーを、自分に対しての挑戦だと感じたようです。人間は、挑戦に向き合うと恐怖心を感じるものですが、それでも挑戦することによって成長することができる。オファーを受けたのも、そうした挑戦する心が大きかったんだと思います」と振り返った。

 30代でベルリン、カンヌ、ベネチアという世界三大映画祭の主要賞を獲得する快挙を成し遂げるなど、世界的評価が高いアキン監督。観客から「もしハリウッドからSF超大作やヒーロー映画といった作品のオファーがきたらどうする?」といった質問が飛び出すと、監督は「自分はフィルムメーカーとして差別主義者ではありません。ジャンルやスタジオ、予算に対する偏見は全くないということ。僕が組みたい人、すばらしい脚本があれば引き受けたいです。“The sky is the limit.”(限界はない)という言葉がありますが、限界を作るのは自分自身。だから自分の中で何をしたいのか、模索しながら決めていきたいと思います」と意欲を示した。(取材・文:壬生智裕)

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