オスカー2部門ノミネートのドキュメンタリー『ハニーランド　永遠の谷』公開決定

　10日に受賞結果が発表される第92回アカデミー賞において、長編ドキュメンタリー賞と国際長編映画賞（旧・外国語映画賞）の2部門でノミネートされているドキュメンタリーが『ハニーランド　永遠の谷』のタイトルで、今春日本公開されることが明らかになった。

　本作は、ギリシャの北に位置する北マケドニアで撮影されたドキュメンタリー。ドキュメンタリー作家のリュボミル・ステファノフとタマラ・コテフスカが、3年以上にわたって、北マケドニアの首都スコピエから、およそ20キロほど離れた電気も水道もない谷で、寝たきりの盲目の老母と暮らす養蜂家の女性を追った。

　「半分は自分に、半分は蜂に」を持続可能な生活と自然を守るための信条とし、野生のハチからわずかな恵みを得て生きる彼女の生活が、遊牧民の家族の来訪によって変化していく。昨年のサンダンス映画祭では、ドキュメンタリー部門のグランプリほかで最多受賞したほか、ニューヨーク映画批評家協会賞などでも受賞。『パラサイト　半地下の家族』など秀作フィクションと共に国際長編映画賞にノミネートされた。日々の営みと自然との調和を忘れた時、人は何を失うのか。貪欲と病気、破壊と再生、自然との繊細なバランスとその美しさに満ちた、悲しくも感動的な物語がつづられる。（編集部・入倉功一）

映画『ハニーランド　永遠の谷』はアップリンク渋谷・アップリンク吉祥寺ほかで劇場公開