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「おかえりモネ」も話題!坂口健太郎、俳優デビューから約7年のキャリアを振り返り

坂口健太郎(写真は2021年4月撮影)
坂口健太郎(写真は2021年4月撮影)

 NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」の菅波光太朗役で注目される坂口健太郎。今年も、初主演連続ドラマ「シグナル 長期未解決事件捜査班」のスペシャルドラマ及び劇場版が放送、公開されるなど快進撃が続く坂口が、本日7月11日に30歳を迎える。183cmの高身長、抜群のスタイルに恵まれ「MEN’S NON-NO」モデル出身のイケメン俳優として注目された時期はすでに越え、俳優としての安定感を漂わせている。彼が実力派俳優に上り詰めるまでのキャリアを振り返ってみた。(田幸和歌子)

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 2度目の朝ドラとなる「おかえりモネ」では、東京の大学病院に籍を置きつつ、1週間おきに宮城県・登米の診療所にやってくる若き医師という役どころの坂口。最初は不愛想で理屈っぽくて、冷たい印象を抱いた視聴者も多かったことだろう。しかし、気象予報士試験を受けようとする主人公・永浦百音(清原果耶)に勉強を教えることになり、変化を見せ始める。中学理科もままならない百音に対し、その場凌ぎの慰めを言うことも、上からモノを言うこともなく、フラットに向き合いつつ、目的達成までの道筋を具体的かつ明確に示す。人とのコミュニケーションが得手ではなく、過去に心の傷も負っているらしい菅波が、子どものように真っすぐ疑問をぶつけてきて、悩んだり迷ったりしてばかりいる百音の前では、無意識に無防備な面を引き出されてしまう。そして、不器用ながらも世話焼きな面や、意外にも情に厚い面が見えてきて、いつの間にか人と関わらざるを得ない状況になっていくのだ。ある意味、「おかえりモネ」は菅波の成長物語でもある。

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 「優しさ」「繊細さ」の一方で、「無防備」「真っすぐ」「青臭い」「理屈っぽい」役もハマる坂口。そこには、10年以上にわたって積み重ねてきた経験がある。

 俳優デビューは、映画『シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸』(2014)で、ヨガをテーマにした作品だったが、監督の永田琴はオーディションで坂口に出会ったことから急遽、「瞬」という役を追加したとシネマトゥデイのインタビューで語っている。ただし、この作品の場合、もともと坂口をイメージして追加された役であっただけに、ナチュラルに臨める現場だったようだ。

 そんな彼がお茶の間で認識されたのは、連続ドラマ「コウノドリ」(TBS系、2015・2017)シリーズだろう。演じたのは、率直な発言が多く、青臭く生意気な印象もある新生児科医・白川領だが、続編では大きな成長を見せる。仮死状態で生まれた赤ちゃんを処置し、一命をとりとめるが、周りの意見に耳を貸さずに突っ走った結果、それが診断ミスだったことが後に発覚。赤ちゃんの命を危険にさらしてしまったことで、医師としてのあり方を考える展開が描かれた。悩み、葛藤した上で、「上を目指すのではなく、先を目指す」と決意した成長ぶりに胸を熱くした視聴者も多かったはずだ。

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 また、週刊コミック誌の編集部を舞台にした「重版出来!」(TBS系・2016)では、クセの強い登場人物ばかりの中で、仕事にやりがいを見いだせない「さとり世代」の営業部員・小泉純を演じた。低体温な中に情熱が宿っていく変化をビビッドに見せたが、実は撮影はクランクイン2日目、仕事にやりがいを見つけたシーンからスタートしていたことが公式サイトのインタビューで語られている。実は全開の熱量から引き算で作っていったことを知って観ると、その変化がまた別の味わいを持って見えてくるだろう。

 映画『64-ロクヨン-前編/後編』(2016)では、県警広報室の対応に憤りをあらわにする若き地方記者・手嶋を熱演した。さまざまな立場、考え方の人々の異なる正義がぶつかり合う中、手嶋は若々しい尖った部分を佐藤浩市演じる主人公・三上(元刑事の広報官)に対して見せつつも、上司からの重圧も感じている難しい役どころである。自身の立場や思いにジレンマを抱いている曖昧な感情も含め、坂口は繊細に、誠実に演じていた。

 さらに、意外な一面を見せたのが、松本潤主演・有村架純がヒロインを務めた映画『ナラタージュ』(2017)である。島本理生の小説を行定勲監督が映画化した本作で、坂口は有村演じる泉に思いを寄せ、恋人になるも、教師・葉山(松本)への思いを断ち切れない泉への恋心と激しい嫉妬に揺れる大学生・小野怜二を演じていた。三角関係の中でのある種の「ヒール」である。しかし、嫉妬から見せる異常な執着ぶりや狂気に怖さを感じる一方で、その思いの切なさには胸が痛くなる、どこか共感してしまう人も少なくなかった。行定監督はそんな彼を「器用さを持っていて軽やかな人」、原作者の島本理生氏は「原作者としてほぼ100点満点! すごい再現率の高さ」と評している。(2017年08月28日、Apple 銀座で開催されたToday at Apple プログラムのクリエーター同士による対談セッション「Perspectives」より)

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 かと思えば「東京タラレバ娘」(日本テレビ系)シリーズでは金髪のモデルKEY役で女性たちを夢中にさせ、高畑充希主演のNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(2016年前期)では植物学者を目指す穏やかで心優しい帝大生・星野武蔵を好演していた。

 ちなみに、柴咲コウが不慮の事故により25年ぶりに目覚めた「心は10歳、体は35歳」のヒロインを演じたドラマ「35歳の少女」(日本テレビ系、2020)でも、坂口は無垢なヒロインに勉強を教え、自身が失った希望や心の傷と向き合う元小学校教師を演じていた。

 医師や教師など「助ける」「教える」「導く」役も多い坂口健太郎。インタビューなどの言葉を追っていくと、本人からもやはり冷静で客観的な印象を受けるが、同時に彼がいかに自身の役柄を愛し、深く理解しようとしているかが見えてくる。「Numero TOKYO」(2018年6月6日掲載)のインタビューでは「100%役になりきることは羨ましいし、なりたいなって気持ちもあるんですけれど、きっと自分に合っているのは役になりきるというより、役に寄り添うほうなんだろうなと」と語っているが、そのスタンスはこれまで演じてきたさまざまな役と根本の部分でつながっている気がする。

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 穏やかな優しさも、真っすぐな怒りも葛藤も、狂気も、そこに人間味が滲みだす。彼が演じることによって、嫉妬に哀愁が感じられたり、「おかえりモネ」の真面目すぎる菅波にも、不器用さとちょっと(かなり?)ズレた可愛さが見えたりする。

 彼がどんな役柄でも一番の理解者として寄り添おうとするスタンスは、そのまま「35歳の少女」や「おかえりモネ」などでヒロインに寄り添う理解者とも重なる。彼の「寄り添い力」は、作品に、自身の役に、そしてヒロインにとっての大きな包容力となっているのではないだろうか。

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