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『ドント・ブリーズ2』でヤバすぎ盲目老人を主人公にした理由

まさに鬼に金棒状態 - 映画『ドント・ブリーズ2』より
まさに鬼に金棒状態 - 映画『ドント・ブリーズ2』より

 強盗に入った若者たちが家の主である盲目の老人から狩られる恐怖を描き、ヒットを記録したホラー映画『ドント・ブリーズ』。続編となる『ドント・ブリーズ2』(8月13日公開)では、その盲目の老人ノーマン・ノードストローム(スティーヴン・ラング)をメインに据えた壮絶な物語が展開する。前作に続いて脚本を執筆したフェデ・アルバレス(前作の監督)&ロド・サヤゲス(今作の監督)のコンビがインタビューに応じ、ノーマンを主人公にした狙いを語った。

【画像】なぜ…盲目老人が育てている少女

 前作で起きた衝撃的な出来事から8年、本作でのノーマンは寂れた郊外の屋敷で、フェニックスという名の少女と二人だけで静かに暮らしている。彼女にサバイバル術を仕込み、大切に育てていたノーマンだがある日、訓練された武装集団に屋敷に忍び込まれ、彼女を誘拐されてしまう。ノーマンは彼女を取り戻すため、勝手知った屋敷を出て武装集団の後を追うことに。武装集団はなぜ少女を狙ったのか、そして、そもそも彼女は何者なのか? ノーマンの壮絶な戦いとともに、衝撃の事実が明かされていくことになる。

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 アルバレスは「本作における彼の動機はとても明確。彼はフェニックスを育てていて、彼女を守ろうとしている。だからといって、彼のやること全てが正当化されるとは思わないけどね」と笑う。「前作で彼は恐ろしいことをして逃げ切り、罪を償ってはいない。僕たちがこの物語を作ろうとしたのは、正義は下されるのか? ということを描きたかったから。彼は犯した罪を償ったのか否か、ということを。もう一つ重要だったのが、彼は“盲目でいること”をやめたのか? ということだ。“盲目”というのは、実際に彼の目が見えないということとは関係がない。彼は自分が何者かという現実に対して盲目だった」

 「彼には何が正しく、何が間違っているかということについての感覚はあるけれど、前作でやった全てのことは正当だと理由付けていた。説得力はあったけど(笑)、彼は自分自身にウソをついていた。だから、本作では“彼は本当の自分と折り合いを付けることができるのか”ということを描きたくて、彼がそうせざるを得ない状況に追い込むことにした。彼を主人公にしたのはそういう理由からだ。厳密に言えばフェニックスが主人公かもしれないけど、観客が彼の旅路をたどれるようにしたかった。ヴィランが、本当の自分に気付くことは可能なのか? ってね」

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ドント・ブリーズ2
続編でもやっぱり強いノーマン・ノードストローム

 前作でも強盗に入った若者たちか、それともヤバすぎる行動をしていた老人か、どちらの味方につくべきかという点で観客のモラルを試していたが、その姿勢は本作でも貫かれている。サヤゲスは「僕たちは誰を応援させたいか、という観点では考えなかった。重要だったのは、観客にノーマンの旅路の目撃者になってもらうこと。ただ疑問を提示して、それにどう感じるかは観客に委ねようとしたんだ」と振り返った。

 アルバレスとサヤゲスは、ノーマンはアンチヒーローならぬ“アンチヴィラン”だと表現する。「アンチヒーローだったら『スター・ウォーズ』のハン・ソロとかだから。ハン・ソロと盲目老人には、あまり共通点があるとは言えないからね(笑)。例えば、ハン・ソロがやることは全て英雄的だけど、彼はヒーローになりたいわけじゃなくてそんなことはどうでもいいと思っている。アンチヴィランはその反対だ」(アルバレス)

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 サヤゲスも「アンチヒーローはヒーロー的行為をしたいと思っていなくても、そうせざるを得なくなった人たち。アンチヴィランも同じで、ヴィラン的行為をしたいと思っていないけど、そうせざるを得なくなった人たちだ」と続ける。「第1弾の時点で、ノーマンはアンチヴィランだった。彼は『世界を征服してやる!』といったことを考えたこともなく、ただそっとしておいてほしかっただけなんだけど、邪悪なことをせざるを得なくなる。この映画でも彼は自分の心地よいゾーンにとどまっていたかったけれど、邪悪で暴力的な方法で対処せざるを得なくなるんだ」と明かしていた。(編集部・市川遥)

映画『ドント・ブリーズ2』は8月13日より全国公開

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