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朝ドラも反響の蒔田彩珠「99.9」で闘志沸く 「新しい扉が開けた」

蒔田彩珠
蒔田彩珠

 19歳ながら是枝裕和河瀬直美大森立嗣らそうそうたる映像作家の現場を経験してきた女優の蒔田彩珠。2021年は連続テレビ小説「おかえりモネ」で清原果耶ふんする主人公・百音の妹・未知を好演し、知名度をあげるなど大きな飛躍を遂げた。そんな彼女の1年を締めくくるのが『99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE』(公開中)だ。本作で蒔田は、事件のカギを握る重要な役柄で出演しているが、現場で共演者たちが話し合いながらキャラクターやシーンを作り上げていく姿を観て、大きな刺激を受けたという……。

【写真】みーちゃん役で人気を博した朝ドラ

 日本の刑事事件において、起訴された事件の有罪率は99.9%と言われている。そんななか、0.1%の可能性にかけ、事実を追求する弁護士たちの奮闘を描いた日曜劇場「99.9-刑事専門弁護士-」は、重厚なテーマを軽快なテンポで描くことで大きな話題を呼び、2016年、2018年と2度にわたって連続ドラマ化。さらに2021年末にはスペシャルドラマに続いて待望の映画版が公開された。

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現場で膨らむ「99.9」独特の撮影に驚き

『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』より蒔田演じる高校生の天才ピアニスト・エリ (C) 2021『99.9-THE MOVIE』製作委員会

 蒔田が演じるのは、主人公・深山らが挑む事件に深く関わる弁護士・南雲(西島秀俊)の娘で、天才高校生ピアニストのエリ。ガッツリと出来上がった世界観に、事件のカギを握るキャラクターとして参加した。現場に入ってまず感じたのが、現場のフランクさ。主人公の弁護士・深山大翔(みやまひろと)を演じる松本潤、さらには深山の上司・佐田篤弘(さだあつひろ)役の香川照之ら作品の顔となる面々が、現場でアイデアを出し合い、シーンをどんどん膨らませていくのだという。

 「わたし自身にはほとんどなかったのですが、共演の方々には、木村ひさし監督が現場でいろいろなアイデアをボソッとつぶやくんです。結構なムチャ振りもあるのですが、皆さんスッと対応されているのには驚きました。わたしはセリフのタイミングが難しくて、最初はかなり戸惑っていたので(笑)」

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 蒔田自身も、是枝組や河瀬組の現場で、急にセリフを増やしたり削ったりという演出があったため、臨機応変に対応する素地はあったという。しかしこれまでの作品は、どちらかというとシリアスなテイストが多かったため、木村組の弾けた感覚には「新しい扉が開けた感じがしました。またご一緒する機会があったら、刑事事件専門ルームのメンバーのようなキャラクターを演じてみたいです」と視野が広がったようだ。

感激した香川照之の一言

 劇中では香川と対峙するシーンが多かった。「最初は少し恐縮してしまったのですが、香川さんが台本にないアイデアを思いつかれた際に『こういう風にしてみようと思うんだけれど、いいかな』と相談してくださったんです。シーンを作り上げていく一員として見てくださっていることが嬉しかったですし、すごく格好いい先輩だなと思いました」と羨望の眼差しを向ける。

 そんな先輩の姿を観て「この作品は長く続いているシリーズの色がしっかりあるので、自分から『こうしたい』というのはありませんでしたが、しっかりと作品のために自分はなにができるのか……ということは意識して臨みたいと強く思いました」と、気づきも多かった。

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朝ドラの反響を経ての1年を振り返る

朝ドラ「おかえりモネ」ではニアミスだった西島秀俊と父子役で共演 (C) 2021『99.9-THE MOVIE』製作委員会

 2021年、蒔田は『朝が来る』で第75回毎日映画コンクール女優助演賞、第94回キネマ旬報ベスト・テン助演女優賞を受賞するなど高い評価を得たほか、連続テレビ小説「おかえりモネ」で主人公の妹を演じ、大きな注目を集めた。「今年はずっと朝ドラの撮影だったので、自分のなかでもとても大切な時間でした」と語ると「どこに行っても『観ているよ』とか『みーちゃんだ』と声を掛けていただけることが多く、本当に朝ドラの反響ってすごいなって感じました。わたし自身も成長できた1年だと思います」と振り返る。

 「おかえりモネ」ではクラリネット、本作ではピアノの演奏シーンがある。蒔田と言えば河瀬監督の映画『朝が来た』で、撮影されない部分も役として生きる「役積み」を経験しているが「ピアノは2か月ぐらい前から練習しました。クラリネットも実際に練習して吹けるようにまでなりました。役をきっかけにやったことがないことに挑戦し、できるようになるというのはこの仕事の面白いところですよね」と“本物”へのこだわりもみせる。

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 19歳にしてすでに貫録すら漂うが「特にこうなりたいという目標はないんです。いまとても充実した時間を過ごせているので、このまま楽しみたいです。自分が楽しんでいないと、観ている人にも一緒にお芝居をしている人にも伝わってしまうと思うので」と、あくまで自然体で臨むことを大切にしているという。
 
 一方で「“わたしに”と声を掛けてくださる方々の期待に応えたいという思いもあります」と強い視線で語ると「必要としてもらえることって、とても大きなやりがいに感じるので、ずっとそういう存在でいられたらと思っています」と未来に思いを馳せていた。

 2022年もTBS1月期ドラマ「妻、小学生になる。」(1月21日スタート、毎週金曜夜10:00~)やディーン・フジオカと共演するバイオレンス映画『Pure Japanese』(1月28日公開)、是枝裕和が総合演出・監督・脚本を務めるNetflixシリーズ「舞妓さんちのまかないさん」(2022年配信)などが待機中だ。(取材・文・撮影:磯部正和)

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