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「カムカム」映画村を訪れたアニーとは?制作陣が明かす起用秘話

アニー・ヒラカワ役の森山良子
アニー・ヒラカワ役の森山良子 - (C) NHK

 第21週まで終わりを迎えた連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土、NHK総合・午前8時~ほか、土曜は1週間の振り返り)。金曜日に放送された第102回では、日本での撮影のためにやってきた日系人女性のハリウッド映画キャスティングディレクター、アニー・ヒラカワが登場。「もしかして安子?」と思わせるようなシーンもあり、次週以降が大いに期待させられた。

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 連続テレビ小説の第105作「カムカムエヴリバディ」は、昭和から令和にわたる時代をラジオ英語講座と共に歩んだ祖母・母・娘、3世代の親子の100年を描いた物語。アニー・ヒラカワは、時代劇が衰退して条映太秦映画村の経営も厳しくなってきた1999年、ハリウッド映画が時代劇を撮影するために、日本に視察にやってきた日系人女性のキャスティングディレクター。アニーは映画村でひなたと出会い「英語を学び続けてください」と英語で意味深なメッセージを告げる。

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 第20週の流れから「アニーはもしかしたら安子なのでは?」と連想する人もいそうだが、堀之内礼二郎制作統括は「自由に想像しながらこの先の展開を見守っていただけたら」と語る。

 アニーを演じているのは、歌手の森山良子。白髪で英語だけをしゃべるという難役に森山を起用した理由について、堀之内は「アニーは異邦人としてひなたの人生と時代劇に新しい風を吹かせる重要な人物。年齢は70前後でありながらも、視聴者の方々が初めて出会ったと感じられるような方に演じて頂きたいと考えていました。森山さんの歌われるジャズはどれも素晴らしいので、英語の発音もきっと大丈夫なんじゃないかと思いました」と説明する。

 森山に快諾をもらってから判明したこととして、森山の父親である森山久さんは、日本ジャズ界のパイオニア的存在であり、ルイ・アームストロングとも親交があったという。堀之内は「その意味でも、まさにピッタリのキャスティングになったと思います」と語った。

 また、第21週の演出を担当した橋爪紳一朗は「ご本人はセリフがすべて英語ということで、かなり心配されていましたが、英語指導の塩屋孔章さんと特訓し、とても流ちょうな英語を披露してくださいました。演出としては、日系人の設定なので、アメリカでずっと暮らしているという雰囲気を出せるように……ということは意識しました」とポイントをあげた。

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 日本で撮影されたハリウッド映画、そしてキャスティングディレクターということで、映画『ラストサムライ』でのキャスティングディレクターや、本作での英語指導を担当した奈良橋陽子さんがモデルとして思い浮かぶ人も多いはず。橋爪は「アニーはフィクションの中の1人の登場人物であり、ハリウッド映画の話も『カムカム』における一つの物語ではありますが、その肉付けとして奈良橋さんに取材し、『ラスト サムライ』を参考にさせていただいています」とのこと。堀之内も「奈良橋さんに具体的なお話をうかがうことで、日系人がキャスティングディレクターをやることにの信ぴょう性、リアリティーを補強したいと考えました。奈良橋さんのような存在がいてくださったのはとても心強かったです。ただ、奈良橋さんとアニーの人生は全く違いますので、モデルというよりは、ヒントにさせていただいた、という感じです」と付け加えた。

 アニーとひなたが会話をするシーンは、今後にいろいろなことを想起させるようなものが詰まっていた。いよいよ佳境を迎える「カムカムエヴリバディ」からますます目が離せない。(磯部正和)

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