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早川千絵監督「みんなの努力が評価されてうれしい」長編初監督作『PLAN 75』カンヌでの快挙に笑顔

倍賞千恵子、早川千絵、磯村勇斗
倍賞千恵子、早川千絵、磯村勇斗

 第75回カンヌ国際映画祭でカメラドールのスペシャル・メンション(特別賞)を受賞した映画『PLAN 75』の凱旋プレミア試写会が30日、都内で行われた。舞台あいさつに早川千絵監督が登壇し、本作への思いを明かした。この日はキャストの倍賞千恵子磯村勇斗も出席し、早川監督とともに受賞の喜びや作品について語った。

【動画】75歳以上の高齢者が自ら生死を選択できる日本…『PLAN 75』予告編

 本作は、是枝裕和監督が監修を務めたオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』の一篇「PLAN75」を新たに構築した、早川監督のオリジナル脚本による初の長編映画。75歳以上が自ら生死を選択できる制度「プラン75」が施行された日本を舞台に、年齢による命の線引きというセンセーショナルなモチーフを打ち出しつつも、懸命に生きる人々の姿が繊細かつ丁寧に描かれる。

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 本年度のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門へ正式出品された本作。新人監督賞にあたるカメラドールのスペシャル・メンション(特別表彰)を受け、日本映画での受賞としては1997年に河瀬直美監督が『萌の朱雀』でカメラドールを日本人監督として初受賞して以来、25年ぶりの快挙となる。

 主人公である角谷ミチ役を務めた倍賞は、受賞を聞いて「本当によかった。凍える中での撮影でしたが、スタッフやキャストの顔が浮かんで笑顔になりました」と語る。倍賞は作品へのオファーを受けて最初は出演することを迷ったことを明かし、「監督とお会いして監督の熱い思いを聞いているうちに、絶対この作品に出たいと思うようになりました」と話した。

 早川監督は「この役は倍賞さんでなければ……。どうなっていただろうと思います」と倍賞への強い信頼を語る。倍賞は生きるということを力強く表現し、ミチに命を吹き込む熱演している。市役所の「プラン75」の申請窓口で働く職員・ヒロム役を務めた磯村も「倍賞さんがミチとしてヒロムを見つめる強いまなざしにドキッとしてシビレました」と劇中の見どころシーンを明かした。

 カンヌの授賞式に出席した早川監督と磯村。観客の反応について、早川監督は「国籍に関係なく評価してくれた方が多かった。(作品のメッセージが)届いてよかった。みんなの努力が評価されてうれしい」と笑顔を見せる。磯村はレッドカーペットを歩いたことを振り返って「作品が終わった後のスタンディングオベーションは言葉に出来ない感動でした」とコメントした。

 最後に、早川監督は「余白を残してある映画なので、自由に感じて観てください」、磯村は「『考える』ことが重要です」と作品について語る。続けて、倍賞は「二人に話してもらったので、私は歌を歌います」と劇中でも歌っている歌を生で披露。倍賞の美声に、観客たちからは大きな拍手が起こった。(取材・文:福住佐知子)

映画『PLAN 75』は6月17日より全国公開

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