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「鎌倉殿の13人」山本千尋、トウが三浦義村に口説かれたシーンは「結構引きずったはず(笑)」

38回「時を継ぐ者」より山本千尋演じるトウ
38回「時を継ぐ者」より山本千尋演じるトウ - (C)NHK

 三谷幸喜脚本・小栗旬主演の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK総合ほか)で主人公・北条義時に仕え、裏仕事を請け負うトウを演じた山本千尋が、大河初出演となった本作の7か月間にわたる撮影を振り返ると共に、特に思い出深い3つのシーンを挙げた。

【画像】反響呼んだ山本千尋VS山本耕史の対決シーン

 本作は、鎌倉時代を舞台に、野心とは無縁だった伊豆の若武者・北条義時(小栗旬)が、鎌倉幕府初代将軍となった源頼朝(大泉洋)にすべてを学び、武士の世を盤石にした二代執権に上り詰めていく物語。山本演じるトウは、7月31日放送・第29回から登場。トウは伊東祐親(浅野和之)、梶原景時(中村獅童)、北条義時らの下で主に殺しなど汚れ仕事を引き受ける善児(梶原善)に育てられた孤児という設定だった。中国武術の大会での優勝経験があり、次世代アクション女優として注目を浴びていた山本のキャスティングは大いに話題を呼んだが、山本は反響を以下のように振り返る。

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 「今、何が楽しみって#鎌倉殿の13人を見ることです(笑)。トウに対する視聴者の方々の声はとてもうれしく、ありがたく思っていますが、あくまで梶原善さんが演じられた善児という素晴らしいキャラクターがあって、梶原さんがわたしにバトンをつないでくださった。すべては三谷さんの脚本と梶原さんのおかげだと思っております。わたしは10月の上旬に撮影を終えたのですが、完全にロスです。7か月間の撮影だったんですけど、スタッフさん含め誰もが三谷さんの脚本のファンになっていたと思うので、皆が常にアイデアを出し合っていました。流れ作業ではなく、どうすればいい作品が出来上がるのかという熱量が一年半にわたって最後の最後まで続いて、温かい現場で終わったので寂しくて仕方がないです」

 三谷作品への出演は、2020年に配信された三谷演出・脚本のシチュエーションコメディ「誰かが、見ている」(Amazon Prime Video)以来、2度目。山本が演じたトウは三谷が作り上げたオリジナルのキャラクター。自由に演じられる分、課題も多く、かなりの試行錯誤があった。

 「オリジナルキャラクターだったので、三谷さんがくださるワードをヒントに、この解釈で合っているだろうかと自分なりに考えながら演じるのはとても楽しかったです。一方で、いざ現場に行って共演者の方々に囲まれたときに自分の解釈が違ったなと思う瞬間が多々あって。トウが史実に描かれていない分、私情が入って空回りしてしまう瞬間がたくさんあって。途中から切り替えたのは、リスクのある挑戦ではあったんですけど、考えていったプランで演じるのではなく現場で感じたことを表現するようにしていました」

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 山本が「トウの分岐点となった」シーンとして挙げるのが、33回の善児暗殺、38回の三浦義村との激闘、そして45回で自害しようとする北条政子(小池栄子)を阻止する場面。義村役の山本耕史とは、舞台「INSPIRE 陰陽師」で共演しており、38回のトウVS義村との対決は彼が三谷に提案したことから実現したという。義時からりく(宮沢りえ)の暗殺を命じられるも義村に見抜かれて失敗し、一戦を交えるシーンだ。腕の立つ二人だけに屋敷内から庭へとなだれ込む乱闘となり、千尋のキレのあるアクロバティックなアクション、それを受ける耕史の鮮やかな立ち回りが話題に。

 「耕史さんとの殺陣はすごく楽しかったです。念願叶った瞬間でもありました。耕史さんとは約2年前に舞台でご一緒していて、その舞台を三谷さんも見に来てくださったんです。せっかく二人ともアクションシーンがあったのに、互いに立ち回りをする機会がなくて残念だったよねというお話をしていたんですけど、大河への出演が決まった時に耕史さんが三谷さんに『トウと義村が戦ったら面白くないですか?』と提案してくださって」

 この場面では、女好きなことで知られる義村が「俺の女になれ」とトウを口説く場面も。普段はクールでポーカーフェイスなトウが動揺するさまが新鮮に映った。この日は侍女になりすましていたため、普段のグレーの鉢巻スタイルではなくピンクの華やかな着物をまとっており、トウの美貌が際立っていた。

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 「なかなか衝撃的な展開ではありましたね(笑)。トウは女性として見られたこともなければ、誰かに恋をしたこともないと思うんです。そんな中で“面倒くさい人に絡まれちゃったな”と。視聴者の方はきっと『義村がまた口説いてる』」と思われたかもしれないですけど、トウからすればそんなことを言われたのは初めてで、思考が一回止まるじゃないですか。多分、結構引きずったと思うんですよね(笑)。“なんだアイツ!”って」

 「わたしとしてはやり切ったと思える7か月間になりました」と清々しい表情を見せる山本。トウは架空のキャラクターだけにその行く末がわからない面白さもあるが、実は当初の予定より大幅な変更があったのだとも。「善児を殺めた回がオンエアされた翌日に三谷さんから連絡をいただいて、トウの最後を変えたいですと言われたんです」と打ち明ける山本だが、果たしてトウにどんな運命が待ち受けているのか。(編集部・石井百合子)

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